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入社3年目社員の本音「知と情のバランスを毎日考えさせられます」カタログハウス・市川健さん

2018.08.21

あなたの知らない若手社員のホンネ~カタログハウス/市川健さん(27才、入社3年目)~

 中間管理職も知っておきたい若手社員のモチベーション。20代の読者も同世代の働きぶりは興味のあるに違いない。バラエティーに富んだ職種を紹介してきたこの企画、今回は「通販生活」を発行するカタログハウスだ。

 シリーズ34回は株式会社カタログハウス 通販生活編集部 ライター 市川健さん(27)入社3年目である。

 通販生活はカタログハウス創業者、斎藤駿氏(82)によって、1982年に創刊された通信販売のカタログ誌だ。同誌で紹介されているのは電化製品、日用品、衣料品、食料品等々、身近に売られていない、優れた商品を推薦することが基本方針である。環境問題もテーマにしており、大量生産、大量消費と相反する環境への負荷が少ない商品を取り扱っている。

 また、反原発、憲法9条の固持、反基地、子どもの貧困問題等、政治的、社会的問題も通販生活には数多く含まれている。

“知”と“情”がポイント

 通販生活は“キンさんギンさん”のテレビCMが印象的でした。両親が通販生活の愛読者で、僕が高校生の時に母親が通販生活の取材を受け、読者の使用感を紹介するインタビューのコーナーに、掲載されたことがありました。

 大学院に進みアメリカ文学を専攻して。大学院で就活を始めた時にカタログハウスの募集があり、馴染みのあった会社なので受験をしました。

「商品に愛着を持ってもらうことで、大量生産、大量消費へのアンチテーゼを発信する媒体に魅かれます」提出したそんな内容のレポートが評価されたのか。面接は創業者の斉藤駿相談役だったのですが、話をするうちにその場で「入ってもらおう」となったのです。

 月、火、金は出社する82才の斉藤相談役は、通販生活の編集部のフロアにデスクがあり、よくみんなを集めて意見交換をする、僕らにとっては近い存在です。「“知”と“情”のバランス」これは入社当時から、相談役によく言われることで。

 例えば、遠赤ヒーター。“ひなたぼっこの快適さ”と、火を使わずパネルを温めて遠赤外線を飛ばすので、子どもが走り回って触れても大丈夫という安心・安全が売りの商品です。

 メーカーの説明は“知”が先行しがちで、「業務用も家庭用の本品も発熱面は同じで、200〜220℃でパネルのアルミ合金を暖めるから、人体に馴染みやすい7〜10ミクロンの遠赤外線が出せる」とか。担当者の説明を聞いて僕もすごいと感じた。数値的なものを含め、商品の説明をしっかりすれば、読者の共感が得られると思い、誌面作りに取り掛かったんです。

 ところが、

「市川くん、それじゃ誰もわからない。高齢の方は読まないだろう」と、相談役に言われまして。通販生活のメインの読者は60〜70代の女性です。

「読者の立場になりなさい」それもよく言われることです。その世代の人たちは、機能性等の“知”を意外と意識していない。情緒的な“情”にポイントの目を向けています。そこで相談役が中心になり、作った誌面のタイトルは、『体が芯からホカホカ暖まる“ひなたぼっこ”の快適さを室内に再現してくれます。』

 縁側で二匹の猫がひなたぼっこしている写真を大きく掲載して、遠赤ヒーターを背景におじいちゃんと孫が笑顔でくつろぐ風景。80代の女性ユーザーが、笑顔でヒーターに右手をかざしているシーン。“情”を全面的に押し出したページ構成にしました。

 商品情報や機能のテスト結果等の“知”は、誌面のスペースを小さくして。10分後にここまで暖まるという、メーカーが暖かさを色で表したサーモグラフィのテスト結果を掲載し、視覚的にわかりやすくしました。

 その結果、この号は遠赤ヒーターが売れました。“情”で構成した記事が、読者の共感を持たれたのでしょう。

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