シャリシャリ、ゼラチン入はペラっ
“氷のコンソメ”の試作は3ヶ月ほどかかりました。最初は凍らせて削って食べてみたんですが、マギーのコンソメにはいろいろと種類がありまして。中華系は氷に合わない。化学調味料が入ったものは、後味に苦味が残る。いろいろと試してみた結果、無添加コンソメは口の中に味が残らず食べやすかった。そこで無添加コンソメをベースにして、コショウ、トマト、トウガラシ等々を加えていったんです。
凍らせると薄く感じる塩味は濃い目にして。塩っぽくなりすぎないようハーブを利かせたり。スパイシーさを出したり、まろやかにしたり。そのままだとシャリシャリした感じですが、ゼラチンを少し入れるとペラっと薄い板状に削れます。バジルが入ると香りがいい。バジルをミキサーにかけて、お湯で溶いた無添加チキンコンソメと合わせゼラチンを入れて、冷凍して固める。
それを強力な保冷水筒に入れ展示会に持ち込み、4000円ほどのハンディかき氷器を20台ぐらい用意して。氷が溶けてしまったら意味がないので、営業担当がお客さんをブースに連れて来るタイミングを見計らい、素早くパッと冷凍のコンソメを取り出し、目の前でザクザクとかき氷にして。
氷のコンソメはヤングコーン、ズッキーニ等のカラフルな夏野菜のサラダにも合いますし、冷製スープやカルバッチョ等にも、相性がいいです。中には冷製スープに入れた氷のコンソメがシャリシャリとして、パンを細かく切ってオリーブオイルで加熱し、スープの浮き実にしたクルトンのようだと、感想を語る人もいます。
試作は50ほど作りましたが、お店のシェフの料理によって、氷のコンソメの中身は無限にアレンジができる。インスタグラム等にアップしてもらえれば、ベースになるマギーの無添加コンソメの知名度も上がります。
時には展示会で、「なんでマギーさんがかき氷なの!?」と聞かれたり。「何これ?、しょっぱいよ」と、言われたこともないわけではありません。かき氷は甘いものというイメージがあるので、驚かれる方もいらっしゃいます。
「お客様の目に留まりやすいように、今年の夏は全営業担当が、これの普及に動いているんですよ」(小山内食品事業部事業部長)
これからのかき氷はコンソメ味です。私は夏のかき氷のイメージを変えていきたい。そのために“氷のコンソメ”を広めていきましょうと(笑)。
取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama