ビジネスシーンで、失礼があってはならないと思うがゆえに、つい過分になってしまったり、あるいは、スピードを優先するあまりに配慮が足りなかったり……。さらに、以前は当たり前とされていたことが、今の常識とはちょっとズレていることも少なくない。
今回はうっかりやってしまいがちなビジネスメールのマナー違反とその対策。ホテルから大手電機メーカーなど幅広いジャンルの企業でビジネスマナーなどの研修を担当する講師のエキスパートである、FINESTの徳永美佳さんに教えていただく。
相手の会社名と肩書、やり取りが進んでも必ず入れるべき?
最も基本的なことだが、仕事相手とのメールのやり取りが進むうち、いつから会社名や肩書などを外し、名前だけにしていいか迷うことは多い。
「会社名と肩書を外すタイミングは2回あります。
(1)相手が外してメールしてきた場合。
(2)2回目以降のメールから外す。
(2)の場合は、初回のメールの内容や実際に会って話をしているかなど、相手との距離感によります」
まずは相手が外してくるのを待ち、相手との距離が縮まったと感じたら名前だけにするのがよさそうだ。
件名はそのまま返信したほうがいい?
件名をそのまま返信するか、内容をプラスした場合はその前に用件を加筆するか、新規メールを立ち上げるか……迷うところだ。
「何の返信かすぐに分かるように、通常はそのままの件名にします。プラスアルファ―の技として、
・件名に相手の名前が入っていればその後ろに「様」をつけると配慮を感じる。
例 RE:先日はありがとうございました DIME編集部山田 様
・複数人に送られたメールへの返信で、相手に誰からの返信か分かるように自分の名前を入れる。
例 RE:(山田)8月イベント出席の件
といった気遣いをプラスするとスマートです」
では、同じ相手とのメールは履歴をつなげたままのほうがいい?
「以前は『履歴は5往復まで』などと言われていましたが、最近は履歴が何十件になってもつなげる傾向があります。PCだけでなく、スマートフォンでメールを確認するようになり、スクロールして履歴を見るということが一般的になってきたことも要因でしょう。同じ相手であっても、案件が違う場合はメールを別建てして作成することで無駄なスクロールを回避することができます。あまり長くなる場合は、必要な部分のみ貼り付けて、新たな件名で送るのも一案です」