◎ニーズが変わったならパラダイムを変えていく
――近年は「モノが売れない時代」と言われます。
「それはすべて『価値』が解決することだと思います。欲しいと思われないから、モノが売れないわけです。だって欲しいと思ったら欲しいですよね? 必要なもの、欲しいものは絶対売れる。どうやって消費者にそう思わせるか? それがブランディングなんです」
――しかし、「若者の◯◯離れ」と言われていますよね?
「それは『モノが売れない時代』とは私は取ってないです。売れないのではなく『必要のないもの』ということですから。売れないもの、なくてもいいものを売るほど、無駄なことはないんですよ。滅ぶものは滅ぶ。モノが売れないというけど、ほかのところで絶対にお金は動いている。携帯電話やゲームの課金のほうが、若者にとってはクルマよりも魅力的なもの、生活に必要なものになっている。ニーズが変わってきているんです。それに対応するには、パラダイムを変えていかないといけない。新しい価値を生み出さないといけないんです。そこで『いやぁ、売れないんですよ』と言ってしまうと、アイデアが停滞する。なのでもっと自由に考えて、それはもう要らなくなったサービスだから、今必要なサービスに進化させたほうがいいと考えれば、仕事は楽しくなりますよ」
オフィスもクリエイティブに
安藤社長はフリーアドレス推奨派。「毎日違うところで仕事をしたりご飯を食べると、新しい視点が生まれ、発想も変わりますからね」
名物の「商品パッケージ名刺」
パッケージ型名刺は当初役員会で猛反対されるも強行、手渡すと話題になると好評を得た。今年は60周年を記念したひよこちゃん名刺。
新商品で新規顧客を獲得
シニア向けのお椀で食べるシリーズと、3か月連続発売の珍種謎肉シリーズ(第1弾は『カップヌードル スモーキーチリしょうゆ味』)。
取材・文/成田 全(ナリタタモツ)