◎座右の銘は「細心大胆であれ」と「仕事を戯れ化せよ」
――創業者の言葉「細心大胆であれ」と「仕事を戯れ化せよ」が座右の銘と伺いました。
「このふたつの言葉はすごく大事で、私の仕事に直結しています。『細心大胆であれ』はひとりでとても細かく、深く考えて、勝ち筋が見えたら一気に展開していくこと。日清食品が大胆でちょっとクレイジーなマーケティングをやっているのも、勝ち筋が見えているから。そこに至るまでは悪ノリでやっているわけではなく、どれくらいのご批判があるのか、でもユーザーにどれくらい刺さって、どれくらい日清食品というブランドを好きになってもらえるか、というところまで考えてやっているんです。『仕事を戯れ化せよ』は、仕事を楽しもうということ。子供ってずっと遊んでいても疲れ知らずじゃないですか。それは楽しいから、遊びだから疲れないわけですよね。自分の好きなことをやっていたら疲れは感じない、というのが創業者の考え方です。『与えられた仕事』と思ってしまうと、与える方も与えられた方もつまらなくなってしまう。ですから仕事をいかに『自分ゴト化』して、自分の好きなことにしていくのが大事なんです。もちろん仕事の楽しみ方は人それぞれ。価値観は違うし、何を選ぶかは自己責任でもある。でも楽しんだうえで今より利益を上げる……そのほうが、カッコイイでしょう(笑)」
――30~40代の『DIME』世代が仕事を楽しむにはどうしたらいいでしょう?
「社員には『仕事を楽しむことも仕事。それが成長を加速させる』という話をよくしています。任される仕事が増えて一番楽しいのが30~40代。単純作業、簡単な仕事、複雑で時間のかかる仕事などに関わらず、その仕事が自分自身の成長にとって持つ意味を考え、その挑戦を楽しみながら、もっと工夫する余地がないのかを考える。それが成長への近道なんです。さらに昇進して部長などになると、しがらみが増えて、つまらなくなりますから(笑)。今のうちに仕事を楽しんでほしいですね」