家族から「いびきがうるさい」と言われたことがあるという鳥海さん。ぜひ「睡眠外来」の取材を依頼したところ、その体格を見た医師が「鳥海さんの睡眠には、絶対に問題があるはず」と指摘。すると、取材どころか、ガチンコの自腹診療に! その実録レポートをお届けしよう。DIME9月号は、熱帯夜続きのこの時期、しっかり眠れずにお悩みの方、普段から不眠でお悩みの方に、ぜひご一読いただきたい睡眠の大特集。DIMEで様々な最新トレンド情報を吸収して、猛暑を乗り切ってください!
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん
1978年生まれ。航空会社のマーケティング戦略を専門とし、世界を飛び回る。「睡眠時無呼吸症候群かも」と心配していた中、編集部から「そんな気がして」と失礼な取材依頼が来たのだが……。
取材した睡眠外来
睡眠総合ケアクリニック代々木
住所:東京都渋谷区代々木5-10-10 SYビル
細かく分類していくと90種類にも及ぶ睡眠障害を、1か所で内科や精神科、耳鼻咽喉科、歯科などと連携し、包括的かつ、きめ細かな治療と研究を行なっている。
理事長 井上雄一さん
1982年東京医科大学卒業。順天堂大学精神医学講師などを経て2003年代々木睡眠クリニック院長に。東京医科大学睡眠学講座教授。医学博士。
ほうっておくと怖い睡眠障害とは?
眠りに関するあらゆる障害。人によって症状は様々で、原因も身体的要因からストレスや精神的なもの、生活習慣など多岐にわたる。睡眠は心身の疲労回復と同時に、免疫力を強化するなどの役目もあるので、穏やかな眠りができていないと、日常生活に支障を来すと同時に、別の重篤な病気の引き金にもなる。
睡眠時無呼吸症候群の血縁者がいれば要注意!
「あなた、息止まるでしょ」
いきなり、である。睡眠総合ケアクリニック代々木の理事長で医師の井上雄一さんは、鳥海さんが問診のイスに座ると、すぐにこう言い切った。
「何十年もこの仕事やってきて数多くの患者さんを診ていますから、睡眠時無呼吸症候群の人は、顎の型と体格を見るだけで、だいたいわかるんです」(井上さん)
実は鳥海さん、実家へ帰って寝ていると、母親から「いびきが大きい」と指摘されたという。
「父が睡眠時無呼吸症候群で、CPAP(就寝時に加圧した空気を鼻から送り込み、気道を広げる医療器具)を使っているので、もしかして自分も……と心配していたんです」(鳥海さん)
実際、昼間、仕事中に突然、睡魔に襲われることもあるという。
「私の診療経験だと、肉親の誰かに睡眠時無呼吸症候群の人がいると発症する確率が高いですね。いくつかの実証データによると、やはり血縁者は、体型や上気道の構造が似ているので、同じ症状が出やすいと考えられます」(井上さん)
遺伝するとまではいえないが、両親のどちらかが睡眠時無呼吸症候群だと子供もなりやすい。一方、睡眠時無呼吸症候群は、肥満が原因で陥る人も。
「ちょっと喉を診させてください。あぁ、もともと咽頭の間が狭いようですね。しかも身長168cmで95kgというのは太りすぎ。まず減量が必須です。あと、寝汗をかいたり、朝起きた時に頭痛がしたりしないですか?」(井上さん)
「日によっては両方ともあります」(鳥海さん)
「寝汗の症状は重症の人に多いようです。それに朝、頭痛がするのは、睡眠時に酸素が足りていないことに関係しています。睡眠時無呼吸症候群の疑いが強いですね。取材ではなく、検査をして結果を見ながら、本格的に治療をしたほうがいい」(井上さん)
「やっぱり……。そうします、本気で治療します」(鳥海さん)
最初は取材のはずが、問診から本格的な検査、そして治療へ! 上で紹介しているのが、実際に行なった検査の内容。具体的な治療経過は『@DIME』でも報告予定。鳥海さんのように心当たりのある方は、一度、睡眠外来を受診してみてはいかが?