ところが6月中旬、「eBay」に驚きの出品があった。ジャケットEX+、レコードEX+、しかも「Hard to Find “ROCK AGE “ OBI!!!」という商品説明通り、画像には幻の(?)帯が映っている。“ROCK AGE “ OBIとは、70年頃にワーナーパイオニアから発売されたレコードについていた、上部に手と花をモチーフにした”マーク“が配された帯のことで、別名花帯とも言う。『クリムゾン・キングの宮殿』の帯がこれだったことは知っていたが、『サトリ』もそうだったのか!!
花帯を再現した復刻版LPは何枚か持っているが、当時のオリジナル帯付きレコードは1枚も持っていない。『サトリ』の相場はジャケットVG+、レコードEXで2万円くらい。僕が見た時現在の最高入札額は$20ほどで、むらむらと闘志(!?)が湧いてきてしまった。「これは出会いだ」「買ってくれと言っている」、この手のコレクターが自分を納得させるための定番センテンスが頭をかけ巡る。
ここは勝負だと、6月17日に$520を入札。運命の6月20日、$430で落とせた。韓国からの出品なので送料も安く、総支払額は50951円、かなりいい買い物だと思った。そしてこの原稿を書くにあたり、ネットでフラワートラベリンバンドをキーワードにあれこれ検索して発見! ディスクユニオン2016冬の「国内盤買取図鑑」に花帯『サトリ』が載っていて、買取価格6万円! ということは客として買ったら2桁クラスか? ただし『サトリ』の花帯、ユニオンの図鑑ではバックがグリーンだが、「eBay」出品の画像では黒バックだ。帯が2種類あるのだろうか?
さてこの買取価格は優良コンディションが条件だが、送られてきた『サトリ』は、まがうことなくEX+だった。いやレコードには細かな傷もなく、ノイズもほとんどない。Near Mintと評していい超優良盤だ。ただし懸案の帯、驚くことに花帯のマーク部分は印刷ではなくシールだった。71年発表という時代から考えて、誰かがコピーをとって貼った自家製とは考えにくく、レコード会社がマーク部分だけを印刷して貼り付けたと推測する。だがそれが何故か、グリーンの帯とどっちが先の発売かは、全くわからない。はたしてこの黒い花帯、グリーンほどの価値はないのか、あるいはもっとあるのか? まあ、すでに買ってしまったのだから、あれこれ考えても仕方ない。気にしないことにしよう。(レコードは、Mint> Excellent> Very Good> Good> Fairと評価されることが多い。Mintは未試聴新品、VGは5段階評価の3にあたるが、「とてもよい」のではなく「あまりよくない」くらいの評価。VG+で「まあまあ」のイメージ。売り主の主観評価なので絶対的なものとh言いがたいが、そうそう盛る売り主はいないと僕は思っている)。
落札した『サトリ』。内ジャケットもライナーもコンディション上々。一般に中古市場では帯裏側の「補充注文票」が切り取られていない帯は珍重されるので、超希少帯かも?