■厳選した具材を使って開発
こうして『グラン』シリーズは開発が始まったが、つくったレシピは全部で200種類ほどになった。3商品分とはいえ、通常のメニュー開発と比べてつくったレシピは格段に多くなった。
開発では、具材類を厳選した。例えば、パティは20種類、バンズは10種類、『グラン クラブハウス』『同 ベーコンチーズ』に使っているベーコンは30種類から検討している。
とりわけバンズは、製法にまで踏み込むほど強いこだわりを見せた。他の具材と相性が良いだけでなく、独特のフワフワ感と日本人好みのモチモチ感がある高さがあるものを採用したが、これを実現するために、生地発酵前に手で丸めるようにした。
バンズを製造する工場からすると手作業は面倒この上ないので、最初はなかなか理解が得られなかった。「バンズをつくる工場では、期間限定品であればできるけどレギュラーメニューでやることについては慎重で、かなり議論になりました」と若菜氏。担当者は何度も工場に足を運び、理解を得るために骨を折った。
さらには、ハンバーガーの包装紙にもこだわった。包装紙は新たに「じゃばらラップ」と呼ばれるものを開発。高さのあるふわふわ・もちもちのバンズを潰すことなく完成できるようにしたほか、手に持って食べやすくした。
「『グラン クラブハウス』だと8種類の具材を使っているのでこぼれやすく、『グラン てりやき』だとてりやきソースが垂れやすいです。お客様が食べやすく、店舗できちんとつくれる包装紙を検討した結果、『じゃばらラップ』が誕生しました」と若菜氏。現在では他のハンバーガーでも使われるようになったという。
『じゃばらラップ』は名前の通り、下部が蛇腹状になっているのが特徴
『じゃばらラップ』の裏面。両サイドが留められており、中央が袋状になっている
『グラン』シリーズでは他の商品同様、消費者調査を実施しているが、これまでになく大規模なものになった。普段であればのべ数百人規模だが、のべ6000人を超えた。
また、2016年11月〜12月の2か月間、名古屋、京都、大阪でテスト販売も実施。消費者の反応を見て改良が必要なところを改良した。