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3週間使ってわかったドコモのAIエージェントサービス「my daiz」の○と×

2018.06.30

■連携するアプリやサービスもまだまだ足りない

 コンテンツ量の不足は、先に挙げたプッシュで送られてくるインフォメーションにも関連してくる。結局のところ、雨が降ったり、電車が遅延したりしなければ静かなのは、コンテンツが足りないからだ。お昼時にランチのオススメ店を紹介したり、電車で移動中に読んでおくべき注目ニュースを配信したりと、できそうなことはまだまだある。

 また、my daizと連携するアプリも、現時点では非常に少なく、ドコモ純正のものが多い。音楽でいえばGoogle Play Musicは非対応でドコモの「dヒッツ」のみだし、予定の表示も、Googleカレンダーではなく、ドコモの「スケジュール&メモ」アプリが開いてしまう。サードパーティのアプリでは、radikoが対応しているものの、「たったのこれだけ?」という印象を受けた。

連携しているのがドコモのスケジュール&メモアプリになるため、予定が表示されない

音楽を再生しようとすると、強制的にdヒッツが起動してしまう

 これは、先に挙げた経路情報も同様で、せっかく経路を調べても、Googleマップが表示されないため、ナビをしてもらおうと思うと二度手間になってしまう。Googleなど、他社のサービスが利用できないのは仕方がない部分はあるが、予定の確認のように、アプリを開くだけの操作もある。その際に表示されるアプリが決め打ちになってしまう仕様は、非常に残念だ。ユーザーごとに環境が異なるため、もっと幅広く使えるようにしておいてほしかった。

Googleマップが使えないのも残念なポイント

 他企業との連携に関しても、たとえば旅客機の空席照会はJALのみで、ANAやその他外資系の航空会社には非対応など、抜けが目立つ。配送状況が確認できるのも、ヤマト運輸のみ。百貨店は高島屋だけと、カバーされている範囲がものすごく狭い。生活をサポートするというのであれば、ここで挙がった企業の競合になるような企業やサービスも、どんどん取り込んでいく必要がある。

情報提供先のパートナーを、今の数十倍から数百倍に増やす必要があると感じた

 2週間使ってみたmy daizだが、現実が理想に追いついていないという印象だ。やりたいことは分かるが、構想があまりにも壮大なため、実現できているサービスとのギャップにガッカリしてしまう。率直にいえば、今の時点では、Googleアシスタントをわざわざ置き換えてmy daizにすることはないだろう。また、有料サービスとしてローンチするのも、時期尚早だと感じた。まずは無料で使ってもらい、ユーザーを増やし、サービスがある程度完成した段階で有料化した方がよかったような気がする。

【石野’s ジャッジメント】
UI         ★★★
連携&ネットワーク ★★★
情報量       ★★
AIの精度      ★★★
お値打ち感     ★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

■連載/石野純也のガチレビュー

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