■連載/石野純也のガチレビュー
ドコモが満を持して送り出したAIエージェントサービスが、5月30日にスタートした「my daiz」だ。my daizは同社が培ってきた対話型エージェントの「しゃべってコンシェル」や、iモード時代からサービスを提供してきた「iコンシェル」、NTTグループが開発した「先読みエンジン」などを統合したサービス。ユーザーの属性や行動、現在地に応じて最適な情報を提供してくれるというのが、主な特徴だ。現時点では非対応だが、IoT機器を制御する役割も担う。
my daizは単独で情報を知らせてくれるだけでなく、パートナーの持つさまざまなコンテンツを取り入れられる仕組みも整えられている。たとえば、高島屋でギフトを購入したいときは、「高島屋」と呼び掛けて同社のエージェントを呼び出し、「ギフト」というとシチュエーションや予算などの選択肢を提示してくれる。こうしたエージェントは「メンバー」と呼ばれ、当初は33の企業、自治体がサービスを提供している。
基本料は無料。先読みエンジンを活用した天気予報のお知らせや、電車の遅延などの情報をホーム画面上で受け取る場合は、月額100円の料金がかかる。Androidスマートフォンには「Googleアシスタント」が、iPhoneには「Siri」が搭載されているが、そのドコモ版と考えれば理解しやすいだろう。オープンなサービスとして提供されており、iOS版はドコモ以外のユーザーも利用できる。このmy daizをサービス開始当初から3週間ほど使ってみた。ここでは、その使用感をお届けしたい。
■音声認識は正確度が高い、インフォメーションは評価が分かれる
音声の認識精度が高いと評判だったドコモのしゃべってコンシェルがベースとなっているだけに、my daizは話しかけたことをかなり正確に文字に起こしてくれる。ここにストレスはない。Androidの場合、呼び出しも簡単。「キーワードによる音声起動」をオンにしておけば、「マイデイズ」と話しかけるだけで、音声認識モードに切り替わる。Androidでは、豆腐のようなマチキャラがホーム画面上に常時表示されるため、これをタップしてもいい。
また、「自宅までの経路は?」と、あいまいな聞き方をすると、my daiz側から経路の特定に必要な追加の情報を求めてくる。この場合、出発地や移動手段を問われるため、最適な回答を返すと、経路の情報が表示される。選択肢が画面上に提示されるため、音声で回答する必要がないのも便利だ。もちろん、「ここから自宅までの経路は」という聞き方をすれば、出発地を選択する質問はスキップされる。
自宅の場所などの個人情報は、「プロフィール」と呼ばれる項目で登録しておく。この情報はdアカウントに紐づいており、住所のほかには、生年月日や血液型、職場の住所、休日、主な交通手段、起床時間などを入力しておくことができる。my daizはこの情報と学習した結果に基づき、ユーザーをアシストするというわけだ。
ユーザーが入力したプロフィールや学習履歴に基づいて情報が届けられる