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入社6年目社員の本音「男性のウェディングプランナーゆえの悩みもあります」エスクリ・中尾浩人さん

2018.07.01

■妻から学んだプランナーとしての要

 でも、なんとか新婦の気持ちに寄り添い、売上げの数字にも反映するようなプランナーになりたい。近年では結婚式の際に、ご懐妊されている新婦も珍しくありません。挙式当日はクッションを置いてあげたり、お腹を冷やさないように膝掛けを用意したりとか。僕には先輩に教えられたその程度のことしか、マタニティに対する知識がありませんでした。

 ご懐妊中は体調も変化します。そんな時に担当が若い男性で、何もわかってくれない。ただでさえ不安なのに、僕がゲストテーブルに置く花の金額を取り違えたことがあって。「20万円間違えましたって、いったいどういうこと!?」と。途中で担当替えになったこともありました。

 どうすれば、女性のことを知ることができるのだろう。と、そんな悩みを抱えていた時、たまたま僕が職場結婚をすることになりまして(笑)。式はどうしようかと相談している時に奥さんの妊娠がわかった。奥さんの希望で結婚式は出産後に行うことになりました。僕は妊娠から出産に至るまでの女性の変化を、間近で目にすることができて、これが勉強になりましたね。

 挙式まで4回ぐらい打ち合わせをするのですが、2回目が6〜7時間と一番長い。それが妊娠3〜4ヶ月のタイミングで入った時は、長い打ち合わせを2回分けたり。

「私、つわりもひどいし、精神的にも不安になる時があるんです」そんなご相談に対して、「結婚式の時は安定期に入っていますから、つわりの心配もありませんし。精神的にも落ち着く時期です。ご懐妊中に結婚式を挙げられた方は、これまでにもたくさんいらっしゃいましたよ」と。そんな話が自然とできるようになると、新婦さんの反応も変わってきました。

 僕の時もそうでしたが、最近はお子様連れの結婚式も増えています。赤ちゃんは披露宴中に授乳をしなければいけない。お色直しお着替えを授乳のタイミングに合わせたり。子供が特になついている、おばあちゃんやおじいちゃんにはそばにいてもらう。子供が泣き出したら、披露宴の進行を妨げないよう、すぐにあやしてもらえるような気配りをしたり。

 そうしているうちに、徐々に担当を替えられることもなくなりました。プランニングするお客様の数も増え、結婚式の内容をご提案して、売上げに貢献することもできました。一昨年はうちのナンバーワンプランナーに与えられる、エスクリ・ベスト・オブ・プランニング・アワードという賞を、男性では初めて受賞して。それも嬉しかったのですが、この業種はサプライズに遭遇することが多い。

 先日、結婚式を挙げたカップルは、新婦のご両親が結婚式を挙げていませんでした。そこである計画をお願いされまして。披露宴が終わり、ひと段落している中、僕は密かにゲストの方々を館内のチャペルへとご案内して。

 ご両親をチャペルの扉の前にお連れしました。扉が開くと新郎新婦をはじめ、ゲストの皆さんが一斉に拍手をされて、手を取りバージンロードを歩くご両親の姿には、涙が止まりませんでした。

 僕自身、目頭が熱くなることを日常的な業務で行っている、結婚プランナーには、そんな醍醐味があります。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

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