2018年のクルマ業界において、もしかすると最大のトピックになりそうなのが「ミドルコンパクト」クラスのSUV。各社からニューモデルが続々と登場する。今回はその先駆けとなる注目の2台を乗り比べた。
国内外でSUVの人気が根強い。特に輸入車は「2015年は販売台数の16%がSUVだったが2017年は22%までシェアを伸ばしています」(メルセデス・ベンツ広報)、BMWも「10年前と比べて約2倍。昨年は販売台数の20%がSUV系でした」(広報)という状況だ。ほかのブランドも負けていない。ボルボ『XCシリーズ』は斬新なスタイリングやシャーシ性能が支持され、ヒットを飛ばしている。最新モデルの『XC40』も今年1月に予約受付を開始したところ、ファーストエディションは559万円という高価格にもかかわらず(※ベースモデルは389万円)、限定300台が1か月で完売した。
一方、国産車でも、三菱が3年半ぶりに投入したコンパクトSUVのニューモデル『エクリプス クロス』が昨年12月の予約受付から2か月で月販目標台数の5倍、約5000台の注文が入ったという。好調なこの2車に共通しているのが、ボディーサイズ。SUVと言っても大きさは様々。全長4.7m以上の大型から4.3m以下のスモールコンパクトまで幅広い。
こうした中、ボルボと三菱はユーザーにとって〝ちょうどいい〟サイズのSUVの開発に注力した。『XC40』も『エクリプス クロス』も全長は4.4mクラス。ラゲージスペースも確保されており、3列シート車ほどは大きくなく扱いやすい。まさに、使い勝手のよいサイズなのだ。ライバルにはメルセデス・ベンツ『GLA』、BMW『X1』、アウディ『Q3』など、ドイツ御三家の売れ筋が挙げられる。そこにあえて参入したというわけだ。
◎先進装備にレベルの高い走り、個性が際立つスポーツ
しかし、この2車の完成度はかなり高い。『XC40』は新開発のコンパクトモデル系のプラットフォームを採用。ボルボが得意とする先進安全技術や運転支援技術を16種類標準装備している。
三菱『エクリプス クロス』は、日本車には珍しいクーペフォルムのスタイリングが印象的。走りについても、かつてWRC(世界ラリー選手権)で世界を席巻した名車『ランサーエボリューション』の駆動技術を進化させており、乗り味は抜群。かつての〝走りの三菱〟を彷彿とさせる仕上がりだ。ほぼ同時期に発売された2台だが、ディテールまでしっかり作りこまれており、全体的にクオリティーは高い。購入してもきっと十分満足させてくれるはずだ。