理科室や雑貨店に置かれた鉱物標本を見ると、「きれい」と思うと同時に「なんか、おいしそう」という気持ちになる人は多いはず。それは、水まんじゅうといった透明感あるお菓子からの連想かもしれないし、深層心理学的な別の理由があるのかもしれない……。
■見た目は鉱物そのものお菓子レシピ
それはさておき、「鉱物×お菓子」のコンセプトをつきつめて、鉱物そっくりのお菓子のレシピを考案した人たちがいる。東京で鉱物・化石標本のネットショップとカフェを営んでいる、さとうかよこさんと、菓子店(アドリア洋菓子店、シャララ舎)だ。
さとうさんは、菓子店とのコラボで、アガー(植物性ゼリーの素)やクッキーの材料を用いて、方解石や柘榴石など様々な鉱物にそっくりのお菓子を作る。本物の鉱物をそばに置かれると、どちらがお菓子でどちらが鉱物なのかわからないものもある。しかも食べておいしいのだから、とても本格的だし、SNS映えする美しさもある。意外にも、お菓子作りのプロでなくても作れるそうで、『鉱物のお菓子 琥珀糖と洋菓子と鉱物ドリンクのレシピ』(玄光社)という一般向けのレシピ集を出している。
今回は、本書から比較的手軽に作れるレシピを紹介したい。実際に作ってみて鉱物菓子に興味がわいたら、本書にある他のレシピにも挑戦するとよいだろう。
■「アガーの方解石劈開片」
【材料(6×6×1.5cmのタッパー2個分)】
水:85cc、モナンシロップのブルー・キュラソー:85cc、グラニュー糖:20g、アガー:4g、レモン汁:少々
【作り方】
1. 水とシロップとレモン汁少々を鍋に入れて沸かす。
2. アガーはグラニュー糖と一緒にボウルに入れて指でかき混ぜておく。
3. 1の鍋に2を入れてよく混ぜ合わせる。
4. タッパーにアガー液を流し込む。
5. 冷やす時間を長めにしてじゅうぶんに固くなったところで、容器から取り出す。
6. 4つの側面を75度の角度をつけて向かい合う面が平行になるようにカットする。
7. お好みの厚さにカットする。このときも最初に切った面に平行になるようにする。
色のバリエーションとして、モナンシロップのグリーンアップルとグリーンミントを2:1の割合で混ぜたものや、フランボワーズを使ったものがある。