■スタッフの数、質ともに最高級といわれるホストクラブ『TOP DANDY』で働くシェフ
安田清シェフは歌舞伎町にあるホストクラブ『TOP DANDY』で本格的なフレンチ料理を提供している。フレンチと洋食で合わせて20年の経験を持ち、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団からの指名により、オーストリア大使館で料理を振る舞ったことがあるという、異色な経歴の持ち主だ。
料理はまず前菜から運ばれてくる。『TOP DANDY』の高級感あふれる店内の雰囲気と重なり、まるで高級フレンチレストランに来たような気分だ。「トマトサラダ」や「カンパチのカルパッチョ」、「ブロッコリーの温サラダ」などが並ぶ。トマトをバラの花に見立てて盛り付けるなど、食べるのがもったいないと思ってしまう、上質な料理が次々と運ばれてくる。実際に口にすると、カルパッチョにはわさびソース、温サラダにはごまソースが合わせられ、手作りソースならではの豊かな風味が口の中にふわっと広がる。想像をはるかに超えた、高級感に満ちた深い味わいを堪能できる。
鮮度が問われる「馬肉のユッケ」なども提供しており、安田シェフはすべてにこだわりを持ち、仕入れから自身で行なっている。「すべての料理を手作りし、鮮度の高い状態でご提供する」ことが、安田シェフのこだわりだ。1人でキッチンの仕事をすべてこなすのは容易なことではないが、ホストクラブに訪れたお客さんや働いているスタッフさんの要望に応えることが、やりがいに繋がっているという。
取材時に「写真を撮らせてください」と伝えると恥ずかしがって応じてもらえなかったものの、後ほど同僚のスタッフさんからお願いすると、カメラに笑顔を向けてくれた。そんな愛されキャラの安田シェフ、スタッフの体調に合わせて胃に優しい料理をわざわざ用意してくれることもあるそうだ。ホストクラブで働くすべてのスタッフが安田シェフとシェフの作る料理を大好きなのが、取材するこちらにまで伝わってくる。