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青もみじがあふれる春の嵯峨野・嵐山の歩き方

2018.05.13

◆平野屋

 昼食場所は奥嵯峨野「平野屋」。愛宕神社の一の鳥居に店を構える400年の老舗で、鮎問屋のかたわら愛宕詣での客向けの茶店を営んできた。現在の女将は14代目の井上 典子さん。給仕をする女性は昔ながらの赤前垂れ姿だ。

 保津川水系で獲れた新鮮な鮎料理を提供する。今回いただいたのはランチの「四季のコース」(6210円/税・サービス料 込)。近くで採れたたつくしやわらびといった旬の山菜や、地元で朝採りしたたけのこ、湯葉、湯豆腐、鮎の甘露煮など、素材の味を活かした優しい料理が並ぶ。シメは平野屋名物の「志んこ」。米粉で作ったニッキ、お茶、白の三色の志んこ(だんご)を愛宕神社までの山道を模したねじれた形に仕上げている。

◆化野念仏寺

 化野念仏寺は昼食場所の平野屋から徒歩5分ほどの場所。浄土宗の寺で、来年の2019年には開創1200年を迎える古刹。化野とかいて「あだし野」と読むが、公式サイトによると、「あだし」とははかない、むなしいとの意で、「化」の字は「生」が化して「死」となり、この世に再び生まれ変わること、極楽浄土に往来する願いなどを意図しているとのこと。賽の河原のようなずらりと並ぶ石仏の写真を見て強い印象を受け、一度訪れたいと思っていた。

 本堂の裏手に広がる見どころのひとつ「竹林の小径」が現在工事で閉鎖されているためか参拝客はまばら。お詫びとして受付で「竹林の小径」のポストカードをいただいた。

 仏舎利塔を通り過ぎると目の前に「西院の河原」が広がる。境内には8000体を超える石仏、石塔があるが、これらは古くに化野一体に葬られた人々の墓。何百年の歳月を経て無縁仏となって散り散りになったり、埋没していた石仏を、明治の時代に集めて配置したという。

 石仏が整然と並んでいる様は、極楽浄土で阿弥陀仏の説法を聴く人々になぞらえたとのことだが、陽の光や青もみじの新緑がまぶしい風光明媚な場所の中で、ここだけは異質な雰囲気がある。賽の河原の石積みを彷彿とさせることから「西院の河原」と名付けられた。ぎっしりと並ぶ石仏を見ていると、人生や命のはかなさについて考えさせる。京都の寺院の中でも独特の佇まいを感じる寺だが、静かな状況でお参りできたのは僥倖だった。

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