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青もみじがあふれる春の嵯峨野・嵐山の歩き方

2018.05.13

◆常寂光寺

 古くから紅葉の名所として平安貴族に愛されてきた小倉山の中腹にある日蓮宗の常寂光寺。開山した日禛(にっしん)上人は、法華経の信者以外からは布施を受けず、供養も行わない「不受不施」の宗制を守り、太閤・秀吉の出仕に応じなかったことを咎められて本圀寺から出て隠棲することになり、隠棲場所として文禄4年(1595年)に常寂光寺を開創する。

 山門から仁王門、本堂、多宝塔まで伽藍は直列に配置されている。仁王門は南北朝時代に建てられた本圀寺のものを江戸時代の初めに移築。仁王像も若狭の長源寺より鎌倉時代のものを移設している。石段を上がり展望台まで出ると、小倉山からの眺望が開ける。

「歌人としても著名だった日禛上人がこの地を選んだのは、藤原定家が時雨亭という庵を結ばれた場所であったから。清少納言も“山は小倉山”と言っているように、平安時代の貴族にとって山といえば富士山ではなく小倉山。丘のようななだらかな優しいカーブの山が貴族好みであり、その筆頭が小倉山といえる。

 嵐山、大堰川(桂川)、小倉山と自然に恵まれ、平安貴族は船を浮かべて遊び、せり摘み、紅葉狩り、萩、栗拾いなど季節ごとに楽しんだ。御所から牛車で日帰りできる距離でありながら自然豊かな山里で、安全で美しく来やすい場所として好まれ、皇族方や上級貴族の別荘がこの辺りに多くあった。季節の良い時期はここで過ごし、見聞きしたものを集めて歌会のときに詠む、いわば歌会用のネタを仕入れていた場所。京都は貴族文化が色濃く残っている町で貴族文化の一端を垣間見ることができる場所がこちらであり、1000年前の文化を感じることのできるビジュアル的な資料といえるのではないか」(住職 長尾 憲佑さん)

 法華経では浄土のことを常寂光土といい、浄土のように静寂で美しい寺ということから名付けられた。自然をたくさん感じることできるのが法華経の浄土であり、浄土に近付けるように手入れしているという。常寂光寺にはイロハモミジ、オオモミジ、春から秋にかけて紅い葉をつけるノムラモミジなど約200本のもみじがある。

「新緑も紅葉ももみじの最高のタイミングは雨が上がったときで、この一瞬の美しさは最高。雨が上がり、雲が切れて明るくなった時雨時の美しさは定家も歌に詠んでいるほどで、雨の日だからとがっかりすることはありません」(長尾住職)

 特別御朱印は法華経の中の一節「如日月光明」。太陽や月のあかりが闇を明るく照らし出すように、仏の教えもみなを明るい方向へ導いてくださるという意味。経が書かれた和紙は虫食いされないように、虫が嫌うウコン(ターメリック)を染料にしていたので昔の経本は黄色紙が多かったという。特別御朱印も経文の一節ということであえて黄色の紙に。

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