あなたの知らない若手社員のホンネ~LINE株式会社/堤奈々絵さん(24才、入社3年目)~
管理職にとって、20代の仕事へのモチベーションの理解が、職場での良好な関係を築くための一丁目一番地……、とは言ったものの、「この会社の社員で40代の人とはほとんど会ったことがない」(堤奈々絵さん)。「この3、4年で社員が3倍の1700名ほどに増えた」(広報担当)。若い人が一丸となり、会社の運営に携わる姿がありありと見て取れる。
第20回目はLINE株式会社 エンタメプロダクト企画2チームLIVEグローバルプロダクト企画兼務 堤奈々絵さん(24才)入社3年目だ。
今やインフラとなりつつあるLINEだが、彼女は若者を中心に支持を得ているLINE LIVEの企画をメインに担当している。
■わからないことは素直に口に出す
父親の仕事の関係で幼い頃、ロスで暮らした経験があり、周りには米国に移住した韓国の人たちが多く、韓国語には親しみがありました。留学は経験したいと思っていたのですが、ちょっと人とは違う言語を学んでみたい。Kポップも流行っていましたし、大学3年の時に韓国に留学しました。
「LINEが募集しているけど向いてそうじゃない?」留学時代に韓国人の友達から声をかけられ、韓国からエントリーシートを提出し、帰国した時に面接を受けてトントン拍子に。
配属は今と同じ、LINE LIVEというライブ配信のアプリをメインに担当する部署です。 アプリをインストールすれば、誰でもライブ配信ができる、それがLINE LIVEです。LINEは家族や友人や親しい人たちと、連絡を取り合うツールという印象ですが、LINE LIVEは公開したライブ動画を誰でも見ることができ、繋がることができます。声だけの配信も可能です。配信を見ている人は“いいね♥”を送ったり、コメントを送信したり、応援アイテムを送ることで、配信する人のファンになることもできます。
例えば、学校の友達と一緒の時に、カラオケで歌っている姿とか、自分のダンスを配信したりもできます。ライブ配信の内容はバラエティーに富んでいる。ユーザーのターゲットは十代、小、中学生も使っています。
LINE LIVEは、私が入社した年にサービスを開始しました。その頃の社内はなんでもやっていこうという雰囲気でした。でも、まず戸惑ったのは開発の知識がないから会議に出ていても、何を話しているのかよくわからないこと。例えば、
「今日サーバーをデプロイして、明後日にはホットフィックスを出そう」
いったい何の話をしているんだろう……。要約すると、“あるサーバーの開発とリリースを今日中に完了して、明後日には緊急の修正版を出す”という意味なんですが、入社当時の私にはまったくわからない。プロジェクトチームの開発に同期がいたので、開発の用語や要望を質問して、翻訳をしてもらっていたんです。
すると、「こっちとしては、わからないことをはっきり言ってくれる企画者がやりやすい」そう開発の同期に言われました。
「企画から質問がないと、僕らは理解していると思い込んでしまう。素直に“ここわかりません、もうちょっと説明してほしい”と言ってもらうと、企画が何をやりたいのか、より理解することにつながるし、開発の立場でそれを実現する方法も、より詳しく説明できる」というような言葉をもらいました。
企画と開発に限らず、お互いにわからないことは素直に口に出していかないと、目指しているものが違ってしまう恐れがあると感じたので、
「あのう、すみません、意味がわからないんです」会議中に思い切って、私はそう発言をしたんです。すると、「実は私も…」と、交わされている言葉の意味が、わからないと言う人が何人もいました(笑)。