■湯の峰温泉 公衆浴場「つぼ湯」
篠遠さん:熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)に向かう古道は、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に指定されました。その構成資産の1つに「湯峯温泉」があり、湯垢離場(ゆごりば)となっています。湯でアカを落とす場であり、熊野詣での人たちが、身体を清めるために湯を利用しました。
その「湯峯温泉」とは湯の峰温泉であり、世界で初めて世界遺産となった温泉浴場です。開湯は1800年も前。川沿いにある「つぼ湯」は湯船として現存する最古のぶくぶく自噴泉。湯船は小さいのですが、底からほんのり白い湯が湧き出しています。
【湯の峰温泉 公衆浴場「つぼ湯」 基本データ】
住所:和歌山県田辺市本宮町湯の峰122
交通アクセス:阪和自動車道南紀田辺ICより約70分
TEL:0735-42-0074
入浴:770円(つぼ湯1組30分交代制)
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 源泉温度:52.8度 pH値:6.8
■湯原温泉 砂湯
篠遠さん:旅館外の奥、ダムを屏風代わりにした広大な露天風呂に、『美人の湯』、『子宝の湯』、『長寿の湯』と名付けられた湯船が3つあります。pH値が9.3のやわらかいアルカリ性の湯で、美肌効果も期待できるので付いた名称です。
湯船に足を入れれば、底もまたやわらかい砂地。その砂を少しだけ持ち上げて、湯が湧いています。
湯原温泉には15の源泉があり、湧出量は推定で毎分6000L。広大な露天風呂を設置するのに十分過ぎる湯量を誇ります。湯原温泉は、「露天風呂番付」で西の横綱となった過去もありますが、それに値する名湯です。
【湯原温泉 砂湯 基本データ】
住所:岡山県真庭市湯原温泉
交通アクセス:米子自動車道湯原ICより約5分
TEL:0867-62-2526(湯原観光情報センター)
入浴:無料(24時間)
泉質:低張性アルカリ性高温泉 源泉温度:45度 pH値:9.3
最後に、ご紹介した温泉の中には自然の中の湯もあります。汚さないなどのルールをお守りください。写真は、管理者の許可を得て撮影したものです、温泉場での写真撮影は基本的にご法度です。
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)