パフォーマンスは十分、ARアプリもサクサクと動く
低価格版といっても、チップセットは『iPhone 7』と同じA10 Fusionで、レスポンスは申し分ない。『iPad Pro』に搭載されているA10X Fusionに比べると、グラフィックスの処理を司るGPUの性能は落ちるが、CPUのパフォーマンスを見ると、初代『iPad Pro』よりも高い。Geekbenchでスコアを取ってみると、その性能がよくわかる。ちなみに、メモリ(RAM)は2GBとなっているようだ。
Geekbench 4でのスコア。CPU性能が高く、iPhone 7に近い数値
実際、いくつかのAR対応アプリを動かしてみたが、特に引っかかることなく、スムーズに操作できる。これらのアプリはパフォーマンスを必要とするため、長時間使っているとほんのり『iPad』が熱くなってくるが、シャットダウンしたりすることはなく、安定していている。廉価版といいながらも、パフォーマンスでは上位モデルに迫っているのだ。
高いパフォーマンスが必要になるAR対応アプリも、スムーズに動く
iOS 11でドックが進化し、2つのアプリを同時に動かしやすくなったが、こうした使い方をしても十分安定している。下に掲載した画面のように、Apple Pencilでメモを取りながらメールをチェックするといったことも可能だ。名前こそProとは銘打っていないが、仕事にもきっちり使えるスペックを備えている。
Wi-Fi+セルラー版の場合、下り最大300MbpsのLTEに対応している。最新モデルに比べるとピーク時の通信速度は遅くなっているが、スループットは十分だ。試しに筆者の事務所がある東京・渋谷で、ドコモのSIMカードを挿して測ってみたが、60Mbpsを超えるスピードが出ていた。『iPad Pro』でも結果はほぼ同じだったため、この場では差が出ていないといえる。
ただし、『iPad Pro』とは異なり、Apple SIMが本体に内蔵されていない。別途、SIMカード型のApple SIMを用意する必要があるため、海外に出たときなどは少々不便だ。第6世代の『iPad』は、こうした点でも、コストダウンを図っていると見ていいだろう。