よく「頼りになる上司になりたい」という言葉を耳にするが、実際のところ、頼りになる上司とはどんな人なのか。反対に頼りにならない上司はなぜ頼りにならないのか。この4月から晴れて上司になるという人もいるかもしれない。理想的な上司像の一つとして、頼りになる・ならないのボーダーラインを探ってみた。
■理想的な上司は「仕事をよく指導してくれる人」が7割
マクロミルが2015年に実施した「2015年 新社会人の意識調査」に調査によると、理想に上司像のトップは、男女共に、「仕事をよく指導してくれる人」が7割にも上った。
第1位 仕事をよく指導してくれる人 70%
第2位 人格が尊敬できる人 60.0%
第3位 相談にのってくれる人 45.0%
第4位 人間関係を重視する人 40.5%
第5位 リーダーシップがある人 39.5%
出典:株式会社マクロミル「2015年 新社会人の意識調査」
「いざという時頼りになる人」は37.5%で、7位と低い結果となった。「頼りになる上司」の需要は日頃はあまりないようだが、2位と3位にランクインしていた尊敬できる・相談になってくれるなどにも関連していると思われる。
■部下から憧れられる上司になるには?
4月から上司になる人にとって、上司としてそれぞれ「こうなりたい」という理想像があるだろう。そうした部下から憧れられる上司になるには、上司はまず何からはじめればいいか。
リーダー育成のプロである嶋津良智氏は次の4つを挙げる。
●安心感を与える話をする
「部下は新任の上司に対して『この人について行って大丈夫か』とか、最初は不安があると思います。まったく違う部署から移動して、新しい上司になる場合は顕著に出ます。ですから『この上司について行ってもよさそうだ』と安心感を与えてあげるような話をしたり、部下一人一人と面談をしてみたりするといいと思います」
●部下と信頼関係を構築する
「人は誰に出会い、誰に教わるか、誰に相談するかによって人生変わるということを自覚し、部下一人一人の成功こそが、自分の一番の関心ごとだと、部下に心から信じてもらえるような関係性を構築してください」
●しっかり自己紹介をし、意気込みを語る
「新しい部署で上司になる場合は、しっかり自己紹介をしてください。自分はどんな経験を積んできて、どんな実績を残して、その経験と実績から、新しい部署で自分がどんな貢献をしてみんなと一緒に頑張っていきたいと思っているのかをしっかり語ってください」
●ビジョンを共有する
「ビジョンを共有してください。いつまでに、なんのために、なぜ、どんな成果をあげ、どんな部署にしたいのか? しっかり共有することが大切です」