あなたの知らない若手社員のホンネ~ジャガー・ランドローバー・ジャパン/村上篤寛さん(29才、入社3年目)~
20代の部下との良好な人間関係を築くための第一歩は、彼ら彼女らの仕事へのモチベーションの理解。若い人も同世代がどんな仕事に汗を流しているのか。興味のあるに違いない。この企画は入社3~5年の社員の話にじっくりと耳を傾け、そのマインドを紹介する。
第17回目はジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社(以下・ジャガー)、ビジネスサービス部コントロール&プロフィットプランニング アナリスト村上篤寛さん(29才)。入社3年目だ。主に自動車関連の部品を供給する大手サプライヤーの社員だった村上さんは、20代後半に外資系企業のジャガーに転職、財務に関する仕事に従事している。日本企業に見切りをつけ外資に飛び込んだ彼には、終身雇用や年功序列を望む気持ちはない。
「あなたにはどこの会社に行っても、きちんと通じるファイナンシャルプランニングアナリストになってもらいたい。私はそのことしか考えていない」そんな女性の上司の言葉が印象的に心に残っているという。
■カッとくる性格が反省点…
僕の仕事は予測と実績の差異を見て、毎月、分析、報告していくことです。ある時、営業部門の先輩の女性が、不明な点を問い合わせるために僕のところに来ました。
「なんで私の把握している数字と、会計上の数字が違うのよ」彼女も仕事のできる人で、上司からの信頼も厚いし、数字にも自信を持っていた。
「精度の高い見積もりをベースに当月の費用を計上したお金と、営業部門が実際に販売施策で使った金額には、多少なりとも差異が出ますし、時差もあるんです」
「そんなこと聞いてなかったわよ」
「だから、時間軸がズレているだけで、時間を経ればあなたの持っている数字と、会計上の数字は一致するはずです。わかってくださいよ」
「それならそういう事情を、事前に説明するのが筋だと思うのよ」
僕は丁寧に説明しているつもりだったんです。しかし先輩の言い方が上から目線でものを言っているかのように、人の説明を無視しているように感じたので、こっちもカッとなってしまい、次第に言い合いになってしまった。すると上司がそばに来て。
「顔が真っ赤になっているよ。席に戻りなさい」と声をかけられまして。
「短気を起こしちゃダメよ。人と言い争うより、どうすれば人が納得し、あなたのために動いてくれるかを考えたほうがずっといい」
直属の女性上司に、そう諭されました。気をつけなくてはいけないなと。短気な性格が災いして、今後もこういう場面があるかもしれない。そんな時は一度、話をシャットアウトして、セールス部長なり上の人に話を通して、理解してもらうような大人の態度を取らなければと自分に言い聞かせました。