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小さな会社にやりたい放題の30代社員が多いワケ

2018.03.30

■人事評価は長や役員の恣意・主観による

 1次考課者である管理職(課長など)が部下を正しく評価しようとしても、無駄な努力になる可能性がある。小さな会社の人事評価は基準があいまいであり、社長や役員が1次考課者の査定を大幅に変えてしまうことすらある。そのことに大多数の社員は何も言わないし、言えない。労組もなければ、異議申し立ての機関もない。人事評価は結局、社長や役員の恣意・主観によるものが大きい。

 この傾向は大企業にもあるが、小さな会社はとりわけ、社長や役員の力が強い。言い換えると、管理職から現場への押さえがきかない。非管理職から、なめられているのだ。結果として、言いたい放題、やりたい放題で、仕事がなんとなくできるかな、という印象の非管理職が頭角を現すようになっている。1人ずつの社員を正しく見取り、評価するという思想が社内にないのだ。

■正直者がバカを見るようになっている

 新卒の段階では、本当の意味で優秀な人はあえて小さな会社には行かない。ごく一部が中小企業に入社することがあるかもしれないが、ここ40~50年は多くは大企業に進む。私が、小さな会社で20~30代で頭角を現す人を観察していると、そこそこに基礎学力が高く、仕事を比較的早く覚えるが、やはり、大企業の20代と比べると見劣りする。特に組織の中で生きていく力や協調性がないタイプが目立つ。

 大の苦手としているのは、チームの一員としての自覚を持ち、上司への報告・連絡・相談などを密にしてチームプレーに徹すること。そもそも、上司は自分中心の部署を作ろうとはするが、チームを作ろうとする意識が極端に弱い。いわゆる、チームビルディングを心得ていない。

 こういう職場では、人のことなどお構いなしで、自分の論理をごり押しし、言いたい放題、やりたい放題でもなんとなく仕事をしている人が目立つ。言い換えると、こつこつと地道に仕事をしている人はなかなか認められない。むしろ、いたい放題、やりたい放題の人の踏み台にされる可能性すらある。ある意味で、正直者がバカを見るようになっているのだ。

■労使関係が逆転している

 小さな会社では、特に20~30代の社員の離職率が慢性的に高い。冒頭で紹介した出版社では、20~30代で5年間勤務する社員は数人しかいない。ほかは、中途採用で入社した社員や派遣社員から正社員になった人だ。特に最近は人手が足りないこともあり、10~15年と残っているだけで30代後半~40代前半で管理職になる傾向が強い。競争率の「倍率1倍」どころか、「1倍」以下で管理職になる人も現れている。こういう職場では、周囲の反発を招き、自分の主張を押し通しても、ある意味で怖いものがない。社長や役員は、辞めてもらうと困ると言わんばかりに譲歩する。つまり、労使関係が逆転してしまっているから、
やりたい放題になるのだ。

文/吉田典史

■連載/あるあるビジネス処方箋

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