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内臓からアラまで!釣り上げたハタをおいしく食べ尽くすコツ

2018.04.01

 その日の飲み会では、ハタ、ネギ、椎茸を材料とする鍋がメイン料理だったが、それはそれは美味しかった。腸は生で食べる以上にとろとろ、大きな頭は食べるところがたくさあり、身は火が通っているので柔らかい。ハタの出汁がたっぷりきいた鍋汁は、上品にして味わい深い。鍋で美味しい魚は1に鬼カサゴ、2にふぐと思っていたが、ハタが断然ナンバー・ワンだ。とはいえ今回、いろいろな料理でハタを食べたが、マイ美味しさランキングでは、鍋は2番目となる(1番は後述)。

 残ったハタは、釣って5日後の夜は用ありだったので、6日後の3月6日に食べた。

 まずは、なめろう。なめろうといえば、アジやイサキの身を味噌にあえるねっとり味の料理だが、ハタの身を味見するとなめらかなで上品な味わい。これは味噌に負けると思い醤油にあえてみたが、あっさりしていてパンチに欠ける。もったいないことをした。中骨に残った身はそのままにし、鍋や味噌汁の出汁をとる素とするべきだと学んだ。

アラもたくさんあり

 刺し身は薄造りにしてポン酢で食べる。ほどよく脂がのりトロリとした身は、柔らかくもゆるくはなく、今、まさに食べ頃だ。6日目にしてこの味わいは、ハタならではだろう。高級魚の刺し身としてはノドクロ(アカムツ)も有名ながら、ノドクロは美味しいものの脂が強すぎてリタイア世代には少し食べれば十分だ(大トロやサシの入った牛肉も同様)。でもハタなら、いくらでも食べられる。いい歳とったら、ノドクロよりハタだ。

 次は味噌汁。沸騰したお湯に入れ、時間をかけて出汁をとったアラをザルで漉す。出汁をとったアラには味がないだろうと捨てるつもりが、もしかしてと少々醤油をかけて食べてみると、まだまだ味わいがあり美味しい。手づかみで、がつがつと食べてしまった。もっと煮込んだら、もっと出汁が出たのかもしれない。ハタの出汁が十分にきいた味噌汁の具は、ネギとハタの皮にした。皮はコラーゲンたっぷりでプリプリ、大型のハタだから皮の量もふんだんにある。ハタ皮の味噌汁など、飲食店ではまずありえない。釣り人、万歳!

ハタのなめろう

 味噌汁を作るにあたり、アラとしてとっておいた腹身が大きいので、煮付けにしようと思い立った。腹身ながら、スーパーで売っている煮付け用の切り身なみに、身がたっぷりとある。煮付けの料理法など知らないので、ネットで検索し簡単そうなレシピに倣った。肉の煮付け、もしそんな料理があるならまさにこれだ、というくらいハタの身が締まっている。魚の食感ではない。味は高級魚、食感は肉、極上の一品だった。高級店で高級魚の煮付けを食べたことはあるが、その魚はハタではなかった。簡単レシピを見て素人が作ったハタのアラ(腹身)の煮付け、一流料理人の煮付けを凌駕した。というわけで、ハタ料理のマイ美味しさランキング、第1位は煮つけだ。

コラーゲンたっぷりのハタの皮

ハタの腹身

 最後に昆布締め。まずは作って3日目に食べたことになるが、まだ昆布の味が浸透していない。アマダイなら3日目ともなると魚の水分が昆布に吸われすぎて身が固くなり、食べ頃を過ぎてしまうのだが(1日目~2日目が食べ頃で、最高に美味しい)。3日目ではまだ早いと、食べるのは一切れだけにした。4日目、5日目、6日目にも一切れずつ食べてみた。時間とともに昆布味がついてくるが、それでもアマダイほどには味が入らない。ハタは昆布締めには適さないと痛感。ああ、またまたもったいないことをしてしまった。

超美味なハタの煮付け

 こうして何種類ものハタ料理を食べてみて、煮付け、鍋、味噌汁、出汁をとったアラと、ハタは火を通した食べ方が美味しい魚と実感した。釣り人はどうしても釣った魚は刺身で食べたいものだが、ハタに限って刺身は少々にして、火を使うのが本道だと悟った。ならば、ステーキのように鉄板で焼いたらどうだろう。味付けは、バターか、塩こしょうか、ニンニクの使用はありやなしか。料理のイメージが膨らむ。さあ、もう一度、大物を釣り上げねば!

左が昆布締め、右が薄造り

文/斎藤好一
元DIME編集長。釣り、ロック、オーディオ、ワイン、車、旅行、ファッション、コスメ、まるで『DIME』のごとく多彩に興味津々。

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