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中小企業の管理職はなぜ〝お山の大将〟になってしまうのか?

2018.04.27

■情報や意識、目標の共有がない

 小さな会社では、情報や意識、目標の共有がなかなか進まない。社員の定着率が低く、出入りが激しい傾向がある。共有しようとしても、できない。管理職になる場合の倍率は概して低く、大企業のように難しくはない。大企業の管理職のように左遷や追い出しなどを受ける機会も少ない。怖いのは、社長や役員だけである。上層部に気に入れられると、定年まではなんとか生き残ることができる会社が多い。むしろ、管理職は自分が仕切る部署のことさえ考えていればいいのだ。

 そして、生意気な部下や意見を言ってくる部下をもっともらしい理由をつけて人事評価を低く扱ったり、他部署へ追い出ししたりする。そのことをとがめる役員も少ない。情報や意識、目標の共有がないから、管理職はある意味で部署の中ではやりたい放題にできる。まさにお山の大将であり、裸の王様なのだ。

■外の世界を知らない

 小さな会社では、ほかの会社の情報がなかなか入らない。中途採用で入社した社員がいても、その数は少ない。数年以内に辞めていく場合もある。そもそも、社員数は300人以下がほとんどであり、この数では外の情報がなかなか入らない。まして、離職率が高い。社内に一時期的に外の情報が入っても、蓄積されない。上司はお山の大将になり、部下の前であたかも大企業の役員のようにふるまっても、部下はそのことがいかに異様であるかに気がつかない。外の世界を知らないからだ。上司も自分がいかに愚かなことをしているか、を知らない。外の世界がわからないからだ。

 最後に…。私が取材をしていると、少数ではあるが、小さな会社でも部下のことを真剣に手取り足取り教え込む上司がいる。ところが、こういう上司はなぜか、社内では浮いた存在になる。むしろ、部下に教えない上司が多数を占めていて、発言力をもっている。本来は、こういう間違った上司は淘汰されるべきなのではないだろうか。その淘汰がないところが、小さな会社の致命的な弱点なのだ。

文/吉田典史

■連載/あるあるビジネス処方箋

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