リファレンススピーカーも加えて3機種の特性を「Auto Eq」で測定した。
Apogee『Duetta Signature』の測定結果。大面積のフロア型なので低域は30Hz付近から出ていることが分かる。しかし、離れると急激に低域が減衰するようだ。
『MM-151ST』の測定結果。10cmフルレンジのバックロードホーンでフロア型。50Hz付近から低域の量感が出てくる。それより低域もダラ下りで伸びている。測定した中では最もフラットに近い特性だった。
■Summary
ELAC『EA101EQ-G』の音場補正機能は、思ったより効果あり。しかも、AVアンプのように大幅に補正して無理にフラットな特性に持っていこうとしないため、補正後の音が自然で違和感がない。このさじ加減がELACならではと言える。小型でも大型でも共通して感じたことは音像定位と音場感の改善効果である。これに対して低域の量感は小型は無理に欲張らず変化は少ない。フロア型の場合は低域を伸ばしてくる。さすがにプリメインアンプなので限界はあるが、そのドライブ能力はなかなかのものだ。もしプリアウトがあれば「Auto Eq」の効果を活かしてパワーアンプに接続できるに残念だ。次期モデルでは検討して欲しい。またはDAC内蔵プリアンプで奥行が短いモデルが出れば魅力的である。Bluetoothの音質もS/N感が良く、ニュアンスが出た。RCA同軸デジタル入力の音もUSBより高音質で透明感があった。
『EA101EQ-G』の実勢価格は約11万5000円と非常にハイコスパである。手持ちのスピーカーとPCに接続すれば、気軽にハイレゾ生活がスタートできる。その音質は国産アンプと一味違うだけでなく、「Auto Eq」がスピーカーに作用して、ハイレゾ音源の音場感の良さを引き出してくる。特に小型から中型スピーカーとの組み合わせがオススメだ。
写真・文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!