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小さな会社ではなぜ人が育たないのか?

2018.04.03

■連載/あるあるビジネス処方箋

 今回は、小さな会社で20~30代半ばまでくらいの社員が育たない理由を私のこれまでの経験をもとに考えたい。この場合の「小さな会社」は正社員数で言えば300人以下の中小企業や、創業10年以内のベンチャー企業で、特に売上10億円以下の会社を意味する。新卒や中途の採用試験を受けるために会社を確認しようとしている人や、現在、このような小さな会社に在籍し、辞めるか否か迷っている人にはぜひ、お読みいただきたい。

■管理職のレベルが概して低い

中小企業や多くのベンチャー企業の場合、新卒(大卒)時の採用試験を受ける学生のレベルが大企業に比べて見劣りする傾向がある。特に基礎学力や業界、会社の研究の程度、入社後の目標や仕事への姿勢などの面だ。基礎学力は、目標に向けて邁進する力や耐える力、集中力、競争心などを裏付ける一面もあると私は思う。数字(偏差値)には表れない「学力」と言えるかもしれない。

そもそも、中小企業や多くのベンチャー企業は毎年、新卒の採用を行っていない会社のほうが比率としては多い。毎年、新卒採用をしている会社でも、私が求人サイトの制作ディレクターや採用コンサルタントなどに聞く限りでは、エントリー者は100人~500人がほとんどだという。大企業では、このレベルのエントリー者数の会社は相当に少ないとも聞く。通常、大半の大企業のエントリー者は500人~数千人であり、中には数万を超える会社もあるようだ。

大企業と中小企業や多くのベンチャー企業には、採用試験に投下する予算や時間、人事部員などの数などにも大きな差がある。中小企業や多くのベンチャー企業は、相対的にレベルが低いと思える学生の中から、内定者を見つけざるを得ない。入社後は、この少ない中で辞めていく人が次々と現われる。中小企業や多くのベンチャー企業は社員の定着率は、大企業に比べて相対的に低い。こういう社員が20代後半から30代前半で、管理職予備軍となり、30代前半~30代後半で管理職(この場合は課長やマネージャー)になる。相対的にレベルが低い中から、レベルの低い管理職が生まれやすい構造になっているのだ。

■「倍率一倍」の本部長の下では、社員は育たない

私が取材などを通じて知った40代~50代の会社員で、中小企業やベンチャー企業に勤務している人の約6~8割は管理職や役員になっている。大企業では管理職になる確率(同期に占める比率)はケース・バイ・ケースではあるが、平均で3~5割だろう。役員になるのは至難の業であるはずだ。中小企業やベンチャー企業では20~30代半ばまでに辞めていく人があまりにも多いから、管理職になる昇格をめぐり、熾烈な競争がほとんどない。

私の周囲にいる知人などの例で言えば、1990年に出版社(正社員数300人)に入社した男性(現在52歳)は現在、統轄編集長をしている。役職は、本部長だ。部下は、30人はいる。ところが、マネジメントのレベルは大手出版社の役職者と比べると相当に低い。本人に聞く限りでは、90年入社の同期生は7人いたが、この男性以外、全員が20~40代前半までに退職したのだという。つまり、「倍率一倍」の本部長なのだ。

 大手出版社では、ここまで定着率が低くはない。大手では部長、本部長、局長と上がっていくためには、ある程度の経験・実績・社内の評価などがそろっていないといけない。入社の難易度は全業界の中でも相当に高く、定着率も総じて高い。おのずと、昇格をめぐる競争は激しくなる。

これは、ほかの業界にも言えることである。中小企業や多くのベンチャー企業では、レベルが高いとは言い難い管理職や役員の下に、多くの社員がいる。大企業の社員と比べて見劣りしない社員も実はいるのだろうが、会社として育て上げることができていない可能性が高い。平均値で言えば、やはり、大企業の社員のほうが相対的に高いはずだ。優秀な人がなかなか生まれない態勢になってしまっているのだ。

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