一般にアマダイには、アカアマダイ(赤甘鯛、ほとんどはこれ)、キアマダイ(黄甘鯛)、シロアマダイ(白甘鯛)と3種類ある。シロアマダイは滅多に釣れることはなく、最も美味とされるが、食べたことはない。キアマダイは、“水っぽい”という記述をネットで見た。アカアマダイは、すこぶる美味しいと僕は思っている。
この日の最終釣果は僕が30cm級と鼻たれの計2枚、正林さんが30cm級、小型×2、小型キアマダイの計4枚。もう一人の乗船者は、沖上がり間際にやっと30cm級(たぶん)を1枚。50cmは、見果てぬ夢に終わった。よって今回のメインは、ここまでの釣りレポートではない。本題はこれからだ。
真冬の釣りは寒い。真夏の釣りは暑い。真夏ならクーラーから冷えた飲料を取り出して飲む、冷たいタオルを取り出して顔や体をふく等、つかぬ間の避暑はできる。だが真冬となると、ホット・ドリンクを飲みたければ保温水筒必携、船上に温かいタオルを持ち込む術は思いつかない。
とにもかくにも、真冬の釣りは防寒対策が重要だ。防寒ウエアの着用や使い捨てカイロの利用で、体は寒さに対応できる。最大の課題は、足下だ。もちろん厚手ソックス、靴用使い捨てカイロなどの対策はある。それでも気温の極めて低い早朝(真冬に4時半集合という釣り船もある)は、足下からしんしんと冷気が体に伝わってくる。本当に寒い。長年にわたり抱えてきたこの課題を、今回ついに解決することができた。その解決法が、メインテーマだ。
20年以上前から使い続けている釣り用のブーツ、春秋は問題ないが(夏は釣り用のサンダルを使用)、防寒仕様ではないので冬はつらい。そこで普通の靴下の上にアウトドア・ブランドの分厚い防寒ソックスを重ねたが、その程度では冷気を防げない。靴用の使い捨てカイロを足裏に貼ったこともあるが、カイロは温かくならなかった。
その理由は、おそらく酸素不足。真冬は厚手のソックスを履き、2枚重ね履きした下半身用のアンダーウエアをブーツにイン、ブーツの丈を釣り用のアウター・パンツの裾で覆う。防寒上はこれがベストだと思う。だがこうするとブーツ開口部が閉ざされ、空気の出入りがほとんどなくなる。よってブーツ内は酸欠状態、カイロが発熱できないのだろう。ならばとブーツ内に断熱インソールを入れたこともあるが、真冬の底冷えには太刀打ちできなかった。
かれこれ20年以上、はいてきたブーツ。釣り用具の寿命は一般に長い
新調した丈長厚底防寒ブーツ(後述)。開口部は重ね履きしたアンダーウエアでパンパンになり、空気が入りにくい。これをさらにパンツの裾で覆うのだから、酸欠はやむなし
ところで豪雨や大雪の日に丈の長い長靴を履いて出かけるとき、パンツの裾をどうするだろう。どうするもこうするも、丈長長靴は開口部が広く、よほど裾幅の広いパンツでもない限り、裾は長靴の中にブーツ・インするしかないはずだ。
だが、船釣りでそれは大間違い。パンツの裾でブーツの丈を覆うのが鉄則。なぜなら海が荒れていると、波が船内に入ってくることが多々あるからだ。”波をかぶる”というが、こうなったらブーツ・インではアウト。海水がパンツを伝わってブーツに入り込み、ビショ濡れになる。
もちろん、雨でも同じことだ。ヒラメ釣行の記事でその華々しい釣果を実名で紹介した釣友・Oさんがその昔、ブーツ・イン・スタイルで船に乗り込んできたときは面食らったものだ。Oさんに限らず、船上でブーツ・インの釣り人を時折見かける。その度に余計なお世話ながら、大丈夫かと気になってしまう。