息の長いブームが続く神社仏閣めぐり。これまでは、若い女性を中心とした御朱印集めがブームの牽引役となっていたが、最近注目されているのが「おみくじ集め」。
多くの寺社が、マスコットが付いたものなど趣向を凝らしたおみくじを出すほか、観光・商業施設発のおみくじも目下増加中。変わり種ともいえるおみくじも多く、集める楽しみが広がっている。
そこで今回は、文筆家でおみくじに詳しい鏑木麻矢さんに、特徴があって面白い変わり種のおみくじを7つ教えてもらった。
■八咫烏おみくじ(熊野本宮大社)
熊野本宮大社は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている寺社の1社で、熊野神社の総本宮として知られる由緒ある神社。ここで授与されているのが、神武天皇を熊野国から大和国まで先導したという3本足の神獣「八咫烏」(やたがらす)をモチーフにした、なんとも愛嬌のあるおみくじ。
鏑木さん:「吉凶なしの全8種あり、いずれも今の自分に力を与える1文字がズバリと示され、よい方向に導いてくれます。熊野の神々の中からご縁のある神様もわかるのが心強いです。熊野という雄大な聖地への旅が、いっそう有意義になること間違いなしです」
■かっぱのおみくじ(常泉寺)
常泉寺は、大和市にある1588年創建の曹洞宗のお寺。境内では四季析々の花が咲くことから「花のお寺」とも呼ばれ、また約300体の河童像が安置されていることから「かっぱのお寺」としても親しまれている。そして、授与されるおみくじも、かっぱキャラである。
鏑木さん:「『かっぱのおみくじ』はすべて手作りで、1体として同じ顔はありません。目が合ったら、きっと運命の出会いです。持ち帰って飾れば癒されるうえに、かっぱさんの力で火伏のお守りにも。中には、超大吉~凶と人生のアドバイス『かっぱのひとりごと』が書かれています。超大吉なら、ささやかなプレゼントがもらえます」