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【開発秘話】1億枚以上売れている時短フェイスマスク『サボリーノ 目ざまシート』

2018.04.18

■連載/ヒット商品開発秘話

 大人の女性の朝は、化粧や身支度に時間がかかり慌ただしいもの。中には化粧が面倒臭く、できれば「したくない」と思っている人もいることだろう。といはえ、仕事柄などからそういうわけにもいかずに、大急ぎで化粧を済ませているのではないだろうか。

 このように化粧が面倒臭いと思っている女性たちから大きな支持を得ているのが、スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニーが2015年4月に発売したフェイスマスク『サボリーノ 目ざまシート』である。最大の特徴は、顔に60秒間貼るだけで洗顔、スキンケア、保湿下地ができること。煩わしい化粧前の準備にかかる時間を、一気に時短することができる。供給の一時見合わせを経て、2016年4月に再発売となったが、衰えることなく売れ続け、これまでに1億枚以上(メーカー累計出荷ベース)も売れている。

■化粧をするのは面倒臭い

『サボリーノ 目ざまシート』は、2014年春にBCLカンパニー内に発足した「女子開発ラボ」が初めて手がけた商品である。「女子開発ラボ」とは、企画、営業、販売推進、広報といった部門に所属する20代後半〜30代前半女性で構成された部門横断型プロジェクトチーム。カンパニーエグゼクティブプレジデントの北村博之氏の発案から誕生し、「自分たちの欲しいものを形にすること」というミッションのもと、新商品開発にあたっている。

「女子開発ラボ」のメンバーである企画本部企画2部1課 係長の齊藤久美子さんによれば、商品企画が固まるまでに半年近くかかったという。では、何がヒントになり『サボリーノ 目ざまシート』は発案されたのであろうか? 齊藤さんは次のように話す。

「対外的な仕事である営業や広報から参加しているラボのメンバーは毎日、バッチリ化粧をしているのですが、実は化粧が面倒臭いと思っていることがわかりました。その他のラボのメンバーも同様で、毎朝の化粧が面倒臭くて嫌だということで盛り上がったほど。これをきっかけにして、ベッドで寝ながら洗顔からファンデーションまでできる時短商品ができないかと考えました」

 早速、開発部門と相談し、試作に取り掛かった。マスクに必要な成分を含ませ試作したところ、ファンデーションがポタポタと落ちてしまい洋服を汚してしまった。

 そのため、ファンデーションは早々に断念。どこまでならフェイスマスクでできるかを検討した結果、現在の洗顔、スキンケア、保湿下地という3つの機能までなら持たせることができそうなことがわかった。「サボりたいけどキレイになれる」をコンセプトに、朝の面倒なことや気になることを1枚のフェイスマスクで解決することを目指した。

■難しかったメントールの配合

 開発では、洗顔、スキンケア、保湿下地だけでなく、むくみの解消も目指した。「女性には、朝にむくみを取りたいというニーズもあります。ラボのメンバーの中にも、朝になると顔のむくみが気になる人がいましたが、むくみ取りに手間をかけたいと思う一方でそれを面倒臭く感じます」と齊藤さん。そこで、むくみが一気に取れスッキリとした使用感が実感できるよう、メントールを配合することにした。

 しかし、メントールは配合が難しい。少ないとスッキリとした使用感が得られず、多すぎると刺激が強くなり痛みを感じてしまうからだ。痛みを感じることなく、スッキリとした使用感が誰にでも得られる最適な配合比率を求めるために、メントールの配合比率を細かく変えて何パターンも試作。カンパニー内の女性社員に使ってもらい評価してもらうことを繰り返し、誰にでもスッキリとした使用感が得られる配合比率を探った。

 また、60秒という時間設定は、既存のシートマスクの装着時間より短時間で済むものを目指した結果による。モニター調査の際、顔に貼りながらしていたことを尋ねたところ、「眠気覚ましにぼーっとしている」など60秒程度でできることが多かったことから、60秒を打ち出すことにした。

 一方、商品のネーミングとパッケージデザインにもこだわった。

 まずネーミングについては、商品企画のアイデアを出すブレーンストーミングのときから「サボる」が多く聞かれたことから、企画段階から「サボる」をネーミングのキーワードに設定。語尾を楽しさが感じられる〈リーノ〉として後ろ向きのイメージを払拭し、テンションの高いものにした。

 化粧品にしては珍しい黄色と緑色を使ったパッケージデザインは、ラボのメンバーから出た要望だった。要望の根底にあったのは、「オシャレなものにしたい」という想い。オシャレな色使いで黄色と緑色の組み合わせが浮かび、そこから発想を広げて現在のものに行き着いた。

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