■Impression 300B
それでは肝心の出力管を交換すると音はどう変化するのだろう。整流管は『WE274B』に固定して聴いてみよう。『PSVANE 300B』は特性が揃ったペア管でU2万円と画期的に安い。安かろう悪かろうではく、作りはしっかりしている。評判もいいようだ。クッキリした音で細かい音も再現される。音色的にはドライで明るい音だ。『NATIONAL Electronica NL-50』は300Bの互換の三極管で35年ぐらい前に作られたらしい。こちらの音は鮮明でボーカルのディテールが良く分かる。私のお気に入りの音である。それではオリジナルの『WE300B』はどうだろう。音量は下がるが音楽全体に勢いがある。期待してほど凄い音にはならなかった。もともと設計が274B対応でないから仕方がないか。
左から『NATIONAL Electronica NL-50』、『WestenElectronic 300B』、『PSVANE 300B』となる。
JENSENのオイルコンデンサー。耐圧630V、0.22μFをカップリングコンデンサーに使った。
■Impression Capacitor
最後にカップリングコンデンサーの交換だが、エージングに50〜100時間かかる言われているため、こちらの音はまだ確定ではない。交換してすぐ聴いた感じでは、低域の押し出しが良くなり、音色はホットな方向に、高域はなめらかになった。100時間後にまた元のコンデンサーと交換しないと、どんな音だか思い出せないが、そのためにハンダ付けし直すのもおっくうである。付け替えてすぐに低域が違うと思ったので、カップリングコンデンサー交換の効果は大きいことは実感できた。出力管をペアで購入することを考えるとこちらの方がお手軽で効果的かもしれない。
横から見ると厚みもすごくある。これはいかにも効果がありそうだ。