「腹筋や背筋など外側の筋肉ではなく、内側の筋肉=体幹を鍛え、体の土台を整えることが大切。可動域を広げるストレッチや、ドローインなどがおすすめです。ただし痛みがある時は控えること。また長時間に及ぶ不良姿勢での〝座りすぎ〟にも注意。1時間ごとに立って、フロアを歩くだけでも随分違いますよ」
もちろん、痛みがひどい時は病気の可能性もあるので病院へ行くべきだ。そうでない場合は、
「ある程度楽観的に考え、日々の中で、何かしらの楽しみや目標を見つけて行動を起こす。前向きに考えられるようになれば、回復も早くなりますよ」
確かに腰痛とうつとの関連を指摘するデータもあるが、ポジティブにとらえ、できることから始めるのが何よりの特効薬なのかもしれない。
[ CAUTION!]〝座る〟負担は〝立つ〟の2倍!?
日本人が1日に座っている時間は平均8時間=1日の1/3で、世界で最も長い。座っている時には体重の60%といわれる上半身の重さが腰に集中するのだ。さらに悪い姿勢の座位を続ければ腰の負担は増大する。だが、骨盤を立てた正しい姿勢を心がければ負担は軽減される。胸が開いて深い呼吸ができるようになるので、脳が活性化するのだ。
〈正しい座り方〉
骨盤を立てて座ると背骨が理想的なS字カーブに。腰だけでなく首、肩、背中の筋肉への負担も抑えられる。
〈NGな座り方〉
骨盤が傾くことで背骨も丸まるほか、骨盤に上半身の重みがかかり、立っている時の約2倍の負担が腰に集まる。
■男性の自覚症状No.1は「腰痛」
病気やけがなどの自覚症状がある人のうち、男性1位の疾病が「腰痛」。女性は肩こりに次いで2位。もはや現代人につきものの疾病といえる。
出典:厚生労働省「国民生活基礎調査 平成28年度版」より