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バブル世代が退職した後、企業の人員構成はどう変わる?

2018.04.17

■連載/あるあるビジネス処方箋

今回は、大企業の正社員の20~40代が今後10~20年に直面する問題を世代別に考えてみたい。取材は、人事コンサルタントであり、明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科客員教授である林明文さんに試みた。

林さんはデロイト トーマツコンサルティングで人事コンサルタントとなり、その後、大手再就職支援会社の社長に就任した。2002年からは、人事コンサルティング会社・トランストラクチャの代表取締役を務める。著書に『経営力を鍛える人事のデータ分析30』(中央経済社)などがある。

Q 今後、大企業の総合職のあり方を考えていくときに、世代間の正社員の数の違いが顕著になりますね。

バブル世代(主に1986年~1991年に入社した世代)が、現在40代後半~50代後半です。この世代の多くは、今後5~10年以内に定年などで退職します。

その後は、いわゆる氷河期世代(1990年代前半~2000年代前半に新卒の就職の時期を迎えた世代)が管理職・役員の多数を占めます。ここで世代別の社員数で言えば、富士山のような形になる大企業が多いはずです。

最も上に氷河期世代、その下の世代(現在30代)、さらにその下の世代(20代)と若くなるにつれて社員数が増えるのです。22~23歳で就職した時点では氷河期世代の社員の上には、団塊の世代(1947年から1949年前後に生まれた世代)やバブル世代が多数いました。当初から何かと理不尽な思いを持ったかもしれませんが、ようやくある意味での「天下」の時代を迎えるのです。

Q その「天下」は、いわゆる「3日天下」にならないでしょうか?

氷河期世代は、新たな問題を抱え込むはずです。大企業では、氷河期世代の数が圧倒的に足りないのです。管理職になる人の数も少ない。企業の理念や文化などの継承者が極端に少なくなります。

私は、このことを「時限爆弾」と以前から指摘してきました。この爆弾は、氷河期世代の特に管理職などにとって新たな負担になりかねないのです。

氷河期世代全員が管理職や役員になることができるわけではありません。大企業の今の管理職に求められるレベルは、20~30年前に比べると相当に高いのです。

まず、プレイング・マネージャーであることが強く求められます。プレイヤ―として部下よりも高い業績目標を持ち、部員の中で常に上位に入る業績を残すことが必要になります。

一方で、マネージャーとして部署の管理や部下の指導・育成をしないといけない。しかも、派遣社員などの非正規社員が職場に増えています。残業時間の規制が厳しくなり、ハラスメントなどへの対応も難しくなっています。

一定のマネジメントレベルを超えた人しか、大企業では管理職にはなれないのです。氷河期世代の社員はもともと少ないうえに、厳格にセレクトされます。管理職の数が一段と足りない状況になります。これが、「時限爆弾」という意味で、氷河期世代の管理職などがオーバーワークとなり、どこかのタイミングでパンクしてしまうかもしれないのです。

そこで中途採用を行い、管理職候補の人材を採用する大企業もあるかもしれません。しかし、それは企業社会全体では少数かと思います。その時代(2025~2035年前後)の管理職に求められるレベルはますます上がります。大企業では、ほかの会社からハンティングした人がすぐになれないようになっているはずなのです。

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