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『ワイルドターキー』4代目マスターディスティラーが伝授するバーボンの楽しみ方

2018.02.06

◆バーボンができあがるまでの4つの工程

1)糖化

糖化(マッシング)は挽いた穀物と水をタンクに入れて煮る工程。この間にでんぷんが糖分に変換される。原料のひとつであるライ麦からはスパイシーさ、骨格のしっかりした味わいが生まれる。大麦麦芽は大麦が発芽した段階のものを乾燥させて使うが、この中に含まれている酵素がでんぷんを糖分に変える。原料の品質に関しては純粋なものを使っているという以外に企業秘密はないが、「マッシュビル」と呼ばれる穀物の構成比率については企業秘密となっている。

2)発酵

糖分に酵母を加えることでアルコールに変えていく工程。糖化によりできた「マッシュ」と、60年以上も受け継がれてきた自家製の酵母菌株を加えて、72時間かけて発酵を行う。

3)蒸留

アルコールを分離、濃縮する工程。発酵が終わった段階でのアルコール度数は10~12度でこの状態をBeer(ビール)と呼んでいる。これを蒸留してアルコール度数を高める。スコッチやアイリッシュの場合はポットスティルという単式蒸留機を使うが、バーボンはコラムスティルと呼ばれる連続式蒸留機を使う。ポットスティルではビールの中にある液体だけが蒸留されていくが、コラムスティルはビールの中にある穀物の部分も含めて連続的に蒸留されていくので、できあがりのタイプが異なる。
コラムスティルでの蒸留のあとタブラーという仕上げの蒸留を行う。タブラーではまだ透明のアルコールでアルコール度数60~65度(120~130プルーフ)で行う。度数を高めるために蒸留を強くしてしまうと風味が失われるので、低いプルーフで行うことで風味を保っている。

4)熟成

内側を焦がした樽で熟成する工程。樽に入れるときのアルコール度数は62.5%(120プルーフ)以下となっており、規定では最低2年間熟成することになっているが、多くのメーカーは4年ほど熟成している。焦がした樽を使うことで、糖分が焦げたカラメルのような風味が出る。木の繊維がストローのような役割を果たし、樽の中の液体が木目の中に入って化学変化を起こし風味や色味を変化させる。ワイルドターキーでは最低5年、多くは6年~13年ほど熟成する。新樽を使っているということもあり、長すぎる熟成よりも6~13年がベストとのこと。

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