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認識率99%以上!手書き文字をデータ化するAIサービス「Tegaki」を生んだ多様性

2018.02.03

■2ヶ月ほどで99%以上の精度を実現

 2人はAIのデープラーニングの技術を用いて精度の高い、手書き帳票の文字や数字を読み取り、データ化するプロダクトの開発を決断する。

 開発当初は精度が思うように出なかったが、大量のデータを入れ、技術者が独自の方法でチューニングに取り組むと、読み取りの精度がギュッと上がりはじめた。「これは画期的なプロダクトになるぞ」と確信したが、飯沼はまさか99%以上という、驚異的な精度を得られるとまでは予想しなかった。しかも開発からわずか2ヶ月ほどで、その精度を達成してしまうのだ。

「OCRは日本の研究者も、十数年取り組んでいる技術ですが、キミたちのような精度を出すことができなかった。キミたちは何年、OCRを研究しているんですか」

 そんな会話は、OCRに精通した企業の人間と話し込む機会を得た時のことだった。

「独自のアルゴリズムを開発したメンバーの一人は、半年前に来日した統計物理を専門にするアメリカ人です」

「えっ、半年…、アメリカ人…」

 飯沼の言葉にOCRに精通した人間は目を丸くした。

 そのアメリカ人のメンバーは、OCRという技術があることすら知らなかった。課題は文字を正しく読んでテキスト化することだ、そこに集中した。統計物理という専門をバックボーンに独自な発想を生かし、さらに天文物理等を専門にする別の外国人のメンバーたちの知恵が合わさった時、新しいアルゴリズムが出来上がったのだ。

「しかし、おたくは外国人スタッフを大勢登用しているようですが、外国人の力が必要ななら、東京にいるよりシリコンバレーにオフィスを構えたほうが、効率よく優秀な人材を得られるのではないでしょうか……」

 飯沼の説明にうなずいた相手はそうつぶやく。実際、多くの人間はアメリカの方が優秀な人材を集めやすいという考えを抱くが、「東京の環境は悪くない」と、飯沼もエリックも思っている。

 日本は経済も治安も安定している。サンフランシスコに比べて家賃だって安い。優秀な人はどこでも仕事ができる。高給より自分のやりたいことをしたいと考える専門家は多い。コージェンントラボは大企業と違い、研究から製品まで携える点も魅力だ。

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