ビジネスパーソンであれば、一度は顧客からクレームを受けたことがあるのではないだろうか。しかし、そのクレーム対応はケースバイケースであるため、対応に困ったこともあるだろう。そこで今回は、クレーム対応でやってはいけないことを中心に、クレーム対応のポイントを、接客コンサルタントである樋口智香子さん監修の下、紹介する。
■クレームでやってはいけない対応7つ
クレーム対応の中でも、間違いがちなものがある。ぜひ一度確認しておこう。
1.初回返信をせず2~3日放置する
メールでクレームが来た際の初回の対応は、最低でも24時間以内に行う必要がある。顧客は1秒でも早く苦情を伝えたいはずだ。メールの場合、まずは不快な思いをさせたことに対する謝罪を述べる。「この度は、ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」と添えた上で、「早急に社内で事実確認をし、一両日中にご返信いたします」と返せば、顧客も自分が送ったメールが届いていることにひとまず安心する。
初回の対応を2~3日も放置するのはもってのほかである。顧客が怒りにかられている場合、ますます怒りが募り、クレーム処理に困難を極める結果になることもある。
2.やみくもに、口先だけの謝罪をする
クレーム対応の基本は『まず謝罪』と肝に命じている人は多いだろう。確かに正解だが、顧客が真に求めているのは謝罪ではなく、顧客が抱えている不満を聞いてくれることや、要求を満たしてくれることだ。何度も平謝りすると、口先だけだと判断されてしまいかねない。
謝罪は、何に対する謝罪なのかを明確にすること。「この度は〇〇をしてしまい、申し訳ございませんでした」と、事由を述べることが肝心だ。この事由が、顧客の主張と一致したときに、顧客は納得する。
3.こちらに非がないのに謝罪する
相手が怒りにまかせて電話をかけてきた際、まずは、不快な思いをさせてしまった「心情面」に謝罪をする。しかし顧客の誤解などで、こちらに非がない場合もある。まずは相手の言い分を冷静になって聞き入れるために、「聞く姿勢」を貫くことが重要だ。事実確認をする場合、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)に添って確認をすると、正確に状況把握ができる。こちらに非があることが分かったら、誠意を持って、改めて謝罪をする。