■あなたの知らない若手社員のホンネ~はとバス・岩崎里紗さん(27才、入社5年目)~
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中間管理職にとって、20代の部下との良好なコミュニケーションは必須事項だ。20代の社員の秘めたマインドに迫るのがこの企画だ。また、若い世代にとっては同世代がどんな仕事をしているのかは興味のあるところだろう。入社3~5年の社員の話にじっくりと耳を傾ける。
第9回目、株式会社はとバス、観光バス事業本部 営業企画部 営業企画課の入社5年目、岩崎里紗さん(27才)だ。
最初の配属は定期観光部、東京見物の定期観光バスと食事場所の手配や仕入れを担当する、はとバスの要の部署の一つだった。入社1年半後、率先し仕事をこなしてくれた先輩の女性社員が配転。別の部署から異動した先輩は、定期観光部の仕事の経験がない。岩崎さんがほとんど一人でバスやツアー客の食事場所の仕入れや手配をした。先輩の立場にある人に仕事も教えなければならない。しかもそれらすべてが、秋の行楽シーズンの繁忙期と重なって――。
●「もう、何なの!」
繁忙期の私の残業を見れば、上司も仕事の大変さはわかっていたと思います。秋の行楽シーズンの繁忙期のピークには、バスを80〜90台出すこともあって。東京スカイツリーや東京タワー、墨田川下り、浅草観音と仲見世の散策等、人気スポットを組み込んだ定期観光ツアーは、一昨年、昨年の実績を元に2号車3号車と増発のバスを手配し、どう割り振るかを調整して。それぞれのバスの食事場所にも連絡をして確認をとります。「11時半からの枠では、1台分44名様しか対応できません」と、先方の食事場所に言われたら、別のお店を探すなり、時間をずらすなり考えなければなりません。
新規に開拓した食事場所は先方も慣れていないので、「2人席とか4人席とか、事前に伺ったお客様の希望に通りの席割りをよろしくお願いしますね」とか、念入りに確認をとります。ツアーの5日前にはバスの台数とを確定し、前日には手配した食事場所等の注意事項を、ガイドさんやドライバーさんに細かく伝えます。
交渉が大変だったスポットの一つが東京スカイツリーです。春のゴールデンウィークと秋の行楽シーズンは、できる限りスカイツリーのツアーを組みたいのに、開業して間がない当時は、今以上に人気スポットでした。
「はとバスさんのご依頼通り、チケットを用意することはできません」という回答ばかり。「3か月も前からお願いしているんですから、もう少し譲歩していただいてもいいんじゃないですかね」とか。電話口でのこちらの語調も、ちょっとキツいものになってしまう。
繁忙期のピークは「空いてないですか?」という入場枠を取る電話を、スカイツリーさんに昼と夕方、毎日のようにかけて交渉しましたが、仕入れが思うようにいかなくて……。
「もう、何なの!」確か部署で思わず、そう叫んだ記憶もあったりして。
スカイツリーと並んで、隅田川の水上バスも人気です。こちらはキャパシティが小さいので、時には社内で調整をすることもあります。例えばうちの外国人向けの観光の部署の予約状態を見ると、水上バスのチケットが20人分余っている。そんな時は、社内でチケットを譲ってもらう話し合いをして、水上バスさんに連絡をします。
「外国人のお客様のコースから出発の枠を20名分もらいました。同じ時間の空席が20名あるということなので、組み合わせると40名になります。うちのバスを1台増発しますね」という具合に交渉します。