「スクートビズ」の席に座ると、まずは水が配られた。水といっても国際線エコノミークラスの機内食と一緒に出てくる飲みきりサイズの水だったが、これでもかなり利用者にとってはありがたいサービスだった。そして飛行機はホノルル空港を離陸して、シートベルトサイン消灯後に機内食が提供された。今回はエコノミークラス予約時に既に予約していたものとなった。
帰国便(ホノルル→関西)での有料機内食は、「ビーフストラガノフのエッグパスタ」
「ハワイアンバーベキューチキン」、「マヒマヒのマスタードクリームソース」、「フジッリパスタのトマトクリームソース」、「チキンラップ」、「ベジタブルラップ」となっているが、今回は「ハワイアンバーベキューチキン」を事前予約していた。フルサービスキャリアのエコノミークラスの機内食よりも量は少ないが、味についてはこれまでのスクート便で食べた機内食の中では美味しかった。また、同行者はハワイらしい「マヒマヒのマスタードクリームソース」を注文していたが、こちらも一定レベル以上だったそうだ。
事前予約の機内食「ハワイアンバーベキューチキン」と「マヒマヒのマスタードクリームソース」。残りがあれば予約なしでも注文できる
量が少なかったこともあり、機内食を食べてから数時間後にインスタントラーメンを注文してみた。カップラーメンは5種類から選べ(うち3種類はカップヌードル)、今回はとんこつ味の「九州ホワイトカップヌードル」を注文。値段は5シンガポールドル(約430円)となっており、オプションで追加できる醤油味のゆで卵も注文した(2シンガポールドル:約170円)。お湯を注いでから持ってきてくれる。3分待てば食べられるが、LCCの中長距離路線ではカップラーメンが意外と人気があるが、いつも食べている安定した味に安心する部分もあるのだと思う。ドリンクについてはビールなどのアルコール類は8シンガポールドル(約680円)、ソフトドリンクやコーヒーなどは4シンガポールドル(約340円)で購入することができる。
インスタントラーメンは人気があり、スクート便では5種類が搭載されていた
9時間近いフライトになるので、機内食を食べてから少し睡眠をとった後は、往路でも使った機内Wi-Fi(有料)を使って仕事をしていたが、エコノミークラスとビジネスクラスの違いはシート電源。両クラス共にシート電源が備え付けられているのだが、ビジネスクラスは無料で利用できるのに対して、エコノミークラスは5USドル(約550円)が必要となる。9時間のフライトになると電源のありがたさを感じることができた。そうこうしているうちに着陸態勢に入り、日本時間で午後2時頃に関西空港に着陸となった。降りた直後に感じたのは飛行時間の短い往路よりも体が格段に楽だったということ。翌日から仕事ということもあったが、疲れを残さずに帰国できたのは大きかった。やはりこの1万7000円は高くなかったと改めて感じて家路に向かった。
「スクートビズ」への当日アップグレードは、ハワイ線以外でも東南アジア線(バンコク・シンガポール)へは片道1万5000円、台湾線では片道7500円で空席があれば可能となっている。
取材・文/鳥海高太朗
航空・旅行アナリスト、帝京大学航空宇宙工学科非常勤講師、ANA「What’s up? ANA」社外編集者。文化放送「オトナカレッジ」金曜日(月2回)に出演中。