放課後にはかつて所属していた鉄道模型部を案内してくれた。六反くんは3年生なのですでに引退しており、部活動は後輩たちに引き継がれている。岩倉の鉄道模型部は全国高等学校鉄道模型コンテストで最優秀賞受賞経験も持つ本格派。校外の様々なイベントともコラボしているのも特徴だ。このあたりは顧問である先ほどの大日方先生の人脈が活用されているようだ。「外部の方とイベントを進めたり、一般のお客さまをご案内するという機会も重要な学びです」と先生が語る。
レイアウト(ジオラマ)を制作する鉄道模型部。校外イベントでの評価も高い
この日は17時過ぎに下校。通常であれば8時頃に登校して18時頃に下校するそうだ。六反くんが住む寮は東京メトロ東西線の葛西駅のそばにある。かつては岩倉専用の寮があったが、現在では他校の生徒と共に暮らす寮を使用している。
富山から単身やってきて過ごす寮の部屋。念願叶い、もうすぐ夢の現場へ旅立つ
部屋はコンパクトながら1人部屋。お風呂やトイレ、食堂は共用だ。六反くんの部屋にお邪魔すると勉強机の後ろに鉄道雑誌やグッズが置かれた本棚があった。「これだけは実家から持ってこようと思って」と地元北陸を走っていた列車のグッズを見せてくれた。この部屋で六反くんは地元富山を走る鉄道の運転士になることを夢見て日々を過ごしてきた。そして「春からは富山県を走るあいの風とやま鉄道に就職することになりました。まずは駅員からですがいつか運転士になる日を目指して頑張ります」と六反くん。夢の入り口に立った彼の姿が印象的だった。
岩倉高等学校運輸科の受験、高校生活について最後に大日方先生は「中学校の基礎的な勉強を疎かにせず、高校を卒業するときにどんなことをしたいという夢や目標を、今のうちから言えるようにしておくことが大事かと思います。目的なく勉強するより、将来何をするという目的を持って勉強し、夢や希望を周りの人に伝えることで実現に一歩近づくかはずです。入学後の生活ですが、日々の勉強をしっかりやっていればなにも問題はないです。あとはいかに熱意をもって何事にも積極的に取り組めるかですね」と一言。未来の鉄道を背負う学生たちは今日も夢の実現を目指し勉学に励む。
岩倉高等学校
〒110-0005 東京都台東区上野7-8-8
Tel: 03-3841-3086
資料請求等は公式HP https://www.tky-iwakura-h.ed.jp/より
取材・文/村上悠太