小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

入社4年目社員の本音「自分の感性を信じてやってみる」ライオン・三田直輝さん

2018.01.21

●ちょっとした意見の衝突。

「自分の感性を信じてやってみろ」

この言葉は『NONIO』開発の時に香料研究所の所長に言われたことでした。その言葉が僕の背中を押したといいますか。ターゲットの年齢と近い20〜30代の僕を含め、4人のチームで香味の開発がスタートしました。新製品は3種類。それは企画の部所からの要請でもありました。より大きなパイを取るには、どんなコンセプトで3つに分けるか。

対象を思い描くことで、製品のイメージが鮮明になってきます。そこでターゲットを女性に絞り、データや参考資料を示して議論を重ね、3通りに分けてみました。

製品のターゲットを象徴するパッケージカラーの決定は開発の過程で決まりましたが、ブルーで表すクールな女性、グリーンはアクティブでプライベートも充実した女性。そしてピンクは可愛らしい感じの女性。さて、それぞれ好まれる香料は何か。香味を決める過程も簡単ではありませんでしたが、

「クールなキリッとした女性が好むのは、甘さを抑えた感じのミントとハーブだな」「アクティブで元気な女性ははじける感じの柑橘系、シトラスだよ」「可愛らしい感じの女性の香味はフルーティーでしょう」と。

僕の担当はピンクに象徴される、可愛らしいピチピチ、キャピキャピした感じの女性が好むフルーツの味のハミガキでした。フルーツの香味といっても、一筋縄では行きません。主体のミントにフルーツの甘い香りを乗せていくのですが、今の20〜30代の特に女性に好まれるのはどんな甘さなのか。 

毎年のフルーツのトレンドや、男女が好む味の研究をしている香味会社に出向き、インタビューをして。過去には甘さの強いメロンとかマンゴー等が好まれたが、今はパイナップルやラ・フランス等の洋梨類とか、ライトな甘さが求められていると。香味を試作して消費者へのアンケート調査と、自分の感覚でブラッシュアップしていく。

実はその過程の中で、30代前半のチームリーダーと、意見の衝突がありました。上司に報告するタイミングがあって、例えば味を決めていく時のコンセプトにも、論理的な組み立てが必要で。そのフルーツを選んだ理由とか、その配合とか、これまでチームで話し合ってきたことを上司に説明しなければならない。ところがリーダーは上司への説明を、勝手に進めてしまった。

「上司への経過報告の内容を知りたかったです。僕らと話し合い、アグリーを得ることをせず報告をしたことに、疑問を感じています。自分たちも参加させてほしかった」みたいなことを、僕はリーダーにはっきりと言いました。リーダーもチームとして、報告内容の合意が取れてないことはわかっていたのですが、時間がなくて僕らのアグリーを得る前に、上司に報告してしまっていた。

「ごめん、これからは報告の前にチームで話し合い、アグリーを得てから上に報告をするよ」と、真摯な態度でチーム全体に語ってくれました。

言うまでもないですが、僕は何もチームの輪を乱そうとか、横車を押すとかいう気持ちはありません。『NONIO』開発の話から逸れますが、例えば新たな価値を見つけるグループワークに参加した時も――

 自分が信じる製品開発に突き進む三田さんと、彼のやり方を尊重する上司や先輩。佳境を迎えていく口臭を予防するハミガキ、『NONIO』の開発でも、彼は“自分の流儀”を踏襲していく。

取材・文/根岸康雄

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。