スーパーフードという言葉もすっかり定着し、今までは物珍しかったそうした食材が、容易に入手できるようになった。チアシードのように、近所のスーパーで当たり前に見かけるものも増え、いまやスーパーフード百花繚乱の時代を迎えている。
そして、これからの注目株とされているスーパーフードに「ヘンプシード」がある。ヘンプシードとは麻の実のこと。実は七味唐辛子の素材のひとつとして、日本では古くから馴染みの深い食材だが、スーパーフードとして表舞台に立ったのは、つい最近のはなし。今夏には恵比寿にヘンプ料理専門レストランが誕生し、注目度が高まっている。
では、ヘンプシードとは、どんなスーパーフードなのか? 「ヘンプ・ライフスタイル」の提唱者の那奈なつみさんに伺った。
Q:ヘンプシードを摂るメリットは?
A:ヘンプシードは、今の日本人に不足しがちな栄養素が豊富に含まれているという特徴があります。極端なダイエットなどのせいで、カルシウム、マグネシウム、鉄分といったミネラル、そしてたんぱく質が不足している人が少なくありません。ヘンプシードは、現代人が不足しがちな栄養素を補うのに適しています。
また、生活習慣病を予防し美肌づくりに役立つオメガ3脂肪酸など、必須脂肪酸がバランスよく含まれています。この点でも、以前よりも魚を食べなくなった、私たち日本人におすすめできます。
Q:ヘンプシードにはどんな種類がありますか?
A:ヘンプシードは、料理や目的にあわせた加工がされており、「ヘンプナッツ」、「ヘンプオイル」、「ヘンプフラワー」、「ヘンププロテイン」の4種類に分けられます。
ヘンプナッツは、麻の実を砕いて食べやすくしたものです。ヘンプオイルは、油分を抽出した必須脂肪酸に富んだオイルで、スプーン1杯で1日に必要なオメガ3を摂ることができます。ヘンプフラワーは、麻の実を外皮ごと挽いて粉末にしたもので、パンやお菓子をつくる際に小麦粉と混ぜて、食物繊維やたんぱく質を強化できます。ヘンププロテインは、ヘンプ由来のたんぱく質を豊富に含んだパウダーで、溶かしてスムージーにするなどして摂ります。こちらは海外では、「プラントベースプロテイン」(植物性たんぱく質)のひとつとして、ベジタリアンやアスリートなどに注目されており、今後は日本でもニーズが高まると思います。
ヘンプシード入門者に向いているのは、ヘンプナッツです。ヘンプの栄養素をまんべんなく含有しており、風味にくせがないので、いろいろな料理に合います。