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2018.01.11

地方在住の伝説のナイフ職人に聞く「モノの売り方」

■テーブルは無限大

「いいもの」であると同時に「面白いもの」を求める。その上で横のつながりを探れば、「テーブルは無限大」だと松田氏は語る。

「軍関係者、警察関係者、釣りの愛好家、アウトドアの専門家。そうやっていろんな業種とつながっていけば、テーブルは無限大や」

 我々日本人にとって、アメリカのSWATやロシアのスペツナズは映画の中にしか出てこない「遠い存在」だ。だが、松田氏は現在進行形で彼らと連絡を取り合っている。先方から見れば唯一無二の技術を持つ職人とコンタクトを取るのは当然かも知れないが、ごく一般の日本人から見れば非現実的とも言える事実である。

「様々な業種とつながる」ということは、「別世界の住人と交流を持つ」という意味である。コンビニの前にたむろするごく平凡な日本人が「俺、アメリカ大統領と友達になりたい」と言っても、まるで相手にされないだろう。だが、万が一の可能性にかけてそれを実現させるとしたら、まずは何をするべきか?

 唯一の答えが、「自分を磨きつつ横のつながりを広げる」ということだ。松田氏の言う通り「テーブルは無限大」だとしたら、横のつながりはいずれアメリカ大統領に行き届くはずだ。これらは一見非現実的のようだが、じつは目標への最短ルートである場合も少なくない。

■チームワークの結晶

 そしてキクナイフの成功は、関という土地が育んだものであるというのは言うまでもない。

 刃物というものは、そのすべての製造工程をたったひとりが手がけるというものではない。まずブレードをプレス形成する企業もあるし、それを熱処理する企業もある。要するにチームワークの世界だ。関市内にある業者が一丸となって製品を仕上げる。

 そうした信頼関係が高品質の製品を生み出し、また製品自体の付加価値になっている。

 関市は交通の便がいいとは言えない。筆者はJR岐阜駅から路線バスで50分かけて関市内に入った。JRで直通できたらいいのに、と考えてしまう。だが、そうした不便さを補って余りある要素が、この町には確かにあるのだ。

 そういう意味で、企業と自治体は「一心同体」とも言える。

取材・文/澤田真一

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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