ラズベリーパイの甘い誘惑!
先日、取材したHi-resParkで「ラズパイオーディオの会」が全員不在のため詳細不明とレポートしたら、主催者を通じて会員1号の宮原徹さんから連絡があり、改めて取材できることになった。場所はなんとステレオサウンド社の試聴室である。これで以前から興味のあったラズパイの全貌が明らかに!
ラズパイはワンボードマイコンである
ラズベリーパイの特徴
マイコン…… 何もかも懐かしい、と感慨にふけってしまうのは1970〜80年代が青春時代だった人に違いない。当時はマイコンブームで月刊マイコンという雑誌まで発行されていた。マイコンとは何か。マイクロコンピュータの略(諸説ありw)、つまりPCである。仕事用ではなく趣味にために生まれたマシンで本体にキーボーとモニターを組み合わせてプログラム言語で動いていた。私のイメージではマイコンとは高校のPC研究会にあったワンボードマイコン『TK-80』で、できることといえば足し算ぐらい。
ラズパイは現代版のワンボードマイコンで、2012年にラズベリーパイ財団が教育用のコンピュータとして開発した。当時の価格は3500円と破格のハイコスパ。現在はRaspberry Pi 3まで進化している。昔のマイコンと違い、キーボードもモニターも不要でカンタンに扱える。その特徴は下記になる。
1.GPU搭載で画像処理ができる
2.microSDカードに書き込んだOSで動かせる
3.HDMI出力、USBポート、LANポート搭載
4.Wi-Fi、Bluetooth搭載
ラズパイを使ってハイレゾ対応のミュージックサーバーやDAC内蔵プレーヤーを作る動きが2015年頃から盛んになり、さまざまな環境が整ってきた。マイコンで一番面倒なのはOSのインストールと初期設定なのだが、これがディストリビューションというものでササッとできるのだ。カンタンに言えばOS+ハイレゾ対応アプリのパッケージで、インストールするだけでWi-Fiで接続したPCやスマホのブラウザを使って操作できるのだ。これなら、PCに詳しくないオーディオファンでも問題なく扱えそうだ。
ラズベリーパイでできること
さらにラズパイは音楽データをI2Sと呼ばれる方式で扱える。これはDAC用の通信方式でUSB接続よりも音がいいと言われている。この接続には通常HDMIケーブルが使われるが、ラズパイは40pinの端子があり、ここに直接接続できるDACボードが製品化されている。これを使えばDAC内蔵プレーヤーにもなるのだ。まとめると
1.ラズパイ単体でφ3.5mmステレオミニ端子からアナログ出力できる
2.HDEMI端子から映像と音声を出力できる
3.USB接続でハイレゾのデジタル出力、DSDのDoP転送も可能(ネィティブにも対応)
4.I2S接続でDACに接続(追加ボードが必要)
私の最終目標は4の方法でPSオーディオのDACに接続することだ。それでNASに接続できればPCレスでハイレゾ再生ができるようになる。まず、最初の目標はラズパイにUSBメモリーかHDDを接続してハイレゾデータをUSB端子から出力させ、DACに接続して音を出すことだ。
左からモバイルバッテリー、スマホのブラウザを使った操作画面、USBメモリが接続されたラズパイ3、そしてDigiFiのUSB/DACと接続されている。これでハイレゾシステム完成。