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湿度0%の空間で再現される無垢な音が愉しいSONOMAのリファレンスヘッドホン『Model One』

2018.01.05

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

■リファレンスヘッドホンを求めて

いままで様々なヘッドホンを聴いてきた。卓越した性能を持つモデルがいくつもあった。ヘッドフォン祭やポタフェスに行くと、今度はもっと高性能なヘッドホンに出会えるかもしれない。また、もっと優れたヘッドホンアンプが登場するに違いないと期待を抱いていた。それではいつまで経ってもリファレンスヘッドホンを決められない。これは問題である。暫定的なリファレンスはPHILIPS『Fidelio X1』であるが、これは音色が気に入って使っており、客観的な判断にはむかないモデルである。

音色に個性があるがリファレンスとして選ぶなら、beyerdynamic『T1 SecondGeneration』かSENNHEISER『HD800S』が妥当な線だと思う。最近、気に入っているのはFOCAL『Utopia』である。『Utopia』のベリリウム振動板がいい。ダイナミック型でありながら、平面駆動型を思わせる明確な音像定位と音場感の良さがあり、解像度が高い。同社のスピーカー設計に通じるところがある。FOCALのハイエンドスピーカーは、厚さ5cmを超えるMDFで固められた高剛性構造で、徹底的に位相を管理したユニットと配置と複雑なネットワークで3Way4ユニットを制御してワイドレンジでハイスピードで音場感に優れた音を再生する。

ヘッドホンアンプはRE・LEAF『E-1』かOJI Special『BDI-DC 24B-G Tuned』、それともマス工房の最新モデル『model406』だろうか。サイズから言えば『E-1』の一択だが、電流増幅型という方式が特殊で、駆動に不向きなヘッドホンが存在することがリファレンスとして使うには一抹の不安がある。あとの2モデルは純粋なアナログヘッドホンアンプなので、DACをどうするかという問題がある。まあ検討するだけなら、予算無制限なのでどんな組み合わせも可能だ。

つらつら考えていたのだが、選んだのはSONOMA『Model One』である。理由は後で説明するが、ソノマにすればヘッドホンアンプ選びで悩むこともなく、DACの心配をすることもなく、リケーブルで迷うこともない。オールインワンの完成されたヘッドホンシステムだ。


届いた箱は想像以上に大きかった。しかも2口に分かれている。これは収納場所に困る。

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