難しい仕事を押し付けられたとき、顧客のクレームに対応するとき、遅くに帰宅して家事を頼まれたとき…こんなとき、誰しも「めんどくさい」と感じるもの。
加藤プラチナクリニック院長で、「脳の学校」代表でもある加藤俊徳医学博士によると、「めんどくさい」という気持ちは、脳科学の見方では、「これから脳に負担がかかりそうだ」という危機メッセージなのだという。そして、これを漠然とした感覚のまま放置するのではなく、きちんと対処すれば克服できる問題だとしている。
加藤博士の近著『「めんどくさい」がなくなる脳』(SBクリエイティブ)では、「めんどくさい」対策として、幾つかのメソッドを挙げているが、今回はその中から幾つかを紹介したい。
●身体を動かす
脳は、理解、思考、感情、運動など、特定の役割を与えられた神経細胞の集まり(脳番地)からなる。
身体を動かすことで、運動系脳番地のスイッチを入れると、つられるように他の脳番地も働きだす。これは、脳の感じる「めんどくさい」を解消させる特効薬。
手足を動かすと特に効果的なので、ストレッチ運動、ラジオ体操、散歩がおすすめ。
朝から座り仕事をしているワークスタイルの人は、午後にはだれて「めんどくさい」気分に陥りがち。そうならないよう、極力「スキさえあれば体を動かすクセをつける」とよい。
●手順を見える化
与えられた仕事が、どんな手順を踏めば達成できるのか見えないと、脳は「めんどくさい」と感じがち。
そこで、どのような手順を何段階踏んでゆけば、物事の達成に至るのかを、いの一番に把握する。こうすれば、あとは手順に沿って分かっていることをこなすだけなので、脳はめんどくささを感じずに、行動を続けることができる。
特に朝の仕事を開始する前に10分だけでよいから、手順を見える化するだけでも、1日の価値が大きく変わるという。この際、手書きで手順を書き出し、1日の終わりから逆算して計画を立てるとより効果的だと、加藤博士は唱える。