■寄付を促すあのメッセージの意図と編集合戦
ウィキメディア財団とは、ウィキペディアなどのサイトを運営する非営利組織のことだ。ウィキペディアを支えるボランティアたちを集め、そのサポートをしている。筆者がウィキペディアに関する疑問を思いつくまま質問したので、その質問と財団の回答を載せていこう。
(1)日本にいるウィキペディアを編集する「ウィキペディアンたち」はどのようにして選ばれた?
ウィキペディアはいつでも誰でも編集可能です。承認プロセスはありません。したがって誰もが「ウィキペディアン」になれます。ボランティアライターが時間をかけて作ってきたガイドラインやポリシーがあり、ウィキペディアの要件に合った編集を行うためにポリシーを理解することが大切です。
(2)ウィキペディアンたちに面識やヒエラルキーはある? ウィキペディアを管理する人間になる方法は?
ボランティアエディターはオンラインで連携することが多く、記事の作業を一緒にすることでお互いを知ることがありますが、基本的に個人情報の共有は求められません。
ただ、世界中で様々なイベントが開催され、ウィキペディアのボランティアエディターが直接会い、リアルタイムにつながることもできます。
※補足「ウィキペディア イベント」で検索すると、過去に開かれたウィキペディア主催のイベントサイトが出てきた。興味のある読者は調べてみてほしい。
ボランティアエディターは、基本的に無償で活動しています。ツールやリソースを使ってサイトのコア機能をサポートする許可を得ているエディターもいます。エディターの上位の役割にあたるのが、「ウィキペディアアドミニストレーター」です。アドミニストレーターは、幅広いエディターコミュニティーによって選出され、サイト上で一定の管理ツールの使用が認められています。例えば、ウィキペディアの記事を削除することができます。
(3)外国ではウィキペディアへの寄付がたくさんあるらしいが、日本では少ないらしい。なぜだと思う? 日本での寄付を増やすためにはどうしたらいいと考えている?
昨年、ウィキメディア財団は日本語版ウィキペディア読者の好む寄付について理解を深めるため、リサーチを実施しました。その結果、ウィキペディアが非営利で運営されており、資金が主に読者の寄付であることを日本のインターネットユーザーの大部分が認識していないことが判明しました。この事態に対処するため、財団は日本のコンサルタントと密に連携し、ウィキペディアが営利目的ではないこと、サイトの成長や改善が個人の寄付にかかっていることを、より明確かつ強力に伝えるメッセージを作成しました。それは日本に合うものだったと手応えを感じています。これにより日本語版ウィキペディア読者が寄付をしたいとき、もっと簡単かつ効率的に寄付できるはずです。