■初心者の失敗の定番はオペアンプの脚を折る
オペアンプの交換で気を付けなければならないのが、脚を折らないようにすることだ。8本ある脚のうちの1本でもダメになったら音が出なくなると思っていい。そもそもオペアンプは1度基板に差し込んだら裏側からハンダ付けするので、何度も取り外すことは想定外だと思って欲しい。そこで前編にも書いたが8pin用ソケットが活躍する。これは1個数十円なので大人買いして、全てのオペアンプに履かせておけば試聴がカンタンにおこなえる。厳密に言えば接点が増えるので音に悪影響がありそうと思った人は、どのオペアンプを使うか決まったら、ソケットから外して取り付ければよい。ソケットを使えば抜き差しに問題はないはずだが、万全を期すならラジオペンチでなく、『IC Extractor』と呼ばれる専用工具を使えば安心である。
それからオペアンプの脚には番号があってもし間違えて逆向きに差し込むと最悪壊れる。見分け方は、オペアンプに丸い凹み、または半球のくぼみがある方を左向き置く。この状態で左下の脚から1、2、3、4となり、右上から5、6、7、8となる。それから本機に使うオペアンプはバランス用もアンバランス用も2回路入りを使っている。また、抜き差しができるのはDIP(Dual in Line)である。表面実装型のSOPを選ぶと使えないので注意しよう。
ラジオペンチを使って何度か抜き差ししたオペアンプ。手前の脚が折れてしまった!
そうならないための転ばぬ先の杖『丸ピンICソケット』、通称ゲタ。ゲタにも切り欠きがあるので、オペアンプの切り欠きと揃えて挿そう。
BarBrownなどの大切なオペアンプはゲタを履かせて差し替えれば安心だ。
これが『IC Extractor』と呼ばれるもので、8pinタイプのオペアンプの前後を挟んで引き抜ける。
そしてこれが変換基板を使って1回路用のBB/OPA627AUを2個付けて2回路対応にしたもの。
裏側に、もう1個のオペアンプがハンダ付けされている。OPA627AUはマークレビンソンのプリアンプに使われたことで有名になった。