約1万5500円で完成した雑誌の付録のバランス駆動ヘッドホンアンプ。今回はその実力をオペアンプの交換を含めてチェックしてみたい。結論から言えば、このアンプは音がいいのでぜひケースに収めてデスクトップで使いたい!
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■オペアンプを交換すれば音はガラッと変化する
真空管アンプの時代は回路はフルディスクリートしかなかったが、現在はハイエンドアンプにもオペアンプは欠かせない。DigiFi No.22付録「バランス駆動対応ヘッドフォンアンプ」はアンバランスとバランス用のオペアンプが交換できるようにソケット式になっている。特にバランス用オペアンプは付属しないため、自分で用意しなければならない。同社の通販サイトにはアンバランス用と同じ『OPA2134PA[追加オペアンプ2個セット]』があるので、これを使うのが無難だが、それではおもしろみに欠ける。
OPA2134は確かに雑誌の付録としては高性能オペアンプだが、他にもOPA2604とかOP275とか、LME49860、LT1364など高音質オペアンプはいろいろ存在する。しかも値段は最高級品でも数千円なので、数万円するケーブルを買うより、抜群にハイコスパなのだ。オペアンプはヘッドホンアンプの心臓部なので音質が変化するだけでなくS/N感やレンジ感、情報量まで変わってくる。
StereoSoundStoreオリジナル『NM-5』はオペアンプの交換を容易にするためネジ4本をゆるめるとトップパネルが外せるようになっている。
リアパネルにはXLR3pin×2のバランス出力端子と3.5mmステレオミニジャックのアンバランス出力がある。
実際に使おうとするとフロントに入力端子があり、なおかつボリュームがある。そのためケーブルを接続した状態で音量調整をすることになり、これがちょっと操作しづらいのだ。
私のオススメはこちらの方法だ。プリアンプかパッシブアッテネータ経由でRCAピン端子のライン入力を使う。これならヘッドホンアンプ側のボリュームに触れる必要はなく音質も向上する。ヘッドホン端子側をフロントにして使える。唯一、違和感があるのはXLR端子の左側がRchになることぐらいだ。