「給食」という言葉を聞いただけで、なんだか懐かしくなってくる。今日はどんなメニューだろう?4時間目が終わりに近づくにつれ、いい匂いが漂い、給食の時間が待ち遠しくなったものだ。そんな給食も、最近ではそのメニューが一昔前とは少し変わっているようだ。そこで、学校給食がはじまった当初から、今の30~40代が食べていた頃の学校給食、そして現在の学校給食メニューがどのように変化しているのかを比較してみた。
■学校給食がはじまった頃のメニューは?
学校給食が始まったのは、明治22年(1889年)だといわれる。山形県の小学校において、貧困家庭の児童に対し、弁当として支給されたのが始まりだという。当初のメニューは次のようなものだった。
●1889年(明治22年)
メニュー例)おにぎり、塩鮭、菜の漬物
●1945年(昭和20年)(終戦後)
メニュー例)ミルク(脱脂粉乳)・味噌汁
●1952年(昭和27年)揚げパン登場
メニュー例)コッペパン、ミルク(脱脂粉乳)、鯨肉の竜田揚げ、せんキャベツ、ジャム
●昭和30年代 冷凍ミカン登場
●1960年(昭和35年)東京でソフト麺開発
●1964年(昭和39年)牛乳を本格導入
●1965年(昭和40年)
メニュー例)ソフト麺のカレーあんかけ、牛乳、甘酢あえ、果物(黄桃)、チーズ
かつて文部科学省学校給食調査官をつとめた田中延子さんに、給食が始まった当時や戦後の給食の特徴について教えてもらった。
「戦後の学校給食は、1946年(昭和21年)12月24日に東京都、神奈川、千葉3都県の児童25万人に対し、アメリカ軍等の援助により、試験的に実施されたのが始まりです。この感謝の気持ちを忘れないために、現在でも1月24日からの1週間を『学校給食週間』とし、各地で様々な行事が行われています。
1947年(昭和22年)1月からは、全国の都市の児童300万人に対して、本格的に実施されました。この頃、1947年1月20日麹町永田小学校の給食は、ララ物資の脱脂粉乳と日本軍の放出物資である缶詰を使用した『マカロニと鮭の缶詰をミルクで煮込んだもの』と家庭から持参した弁当であったと新聞報道されています。(※1)
『パン、おかず、ミルク』がそろった完全給食が実施されるようになったのは、1950年(昭和25年)からです」