■気になるコンデンサーの音の違いはやっぱりあった!
PYRAMID『TW47』には、3.4μFのコンデンサーが最初から取り付けられていた。クロスは5800Hzとかなり低めでフルレンジと被ってしまうが、とりあえずこれで聴いた。高域が伸びてジャズの金管などがリアルになり、音も華やかになったが、音像定位は悪くなった。ボーカルの音色はややドライだ。それでは、これを各国代表のコンデンサーと交換してみよう。用意したのは下記の5種類でスピーカー&関連パーツの専門店「コイズミ無線」のWeb通販で購入した。
Jantzen Audio(デンマーク)『Z-Standard Cap-1.5』1.5μF 230円
PARC Audio(日本)『DCP FC001-150』1.5μF 348円
PARC Audio(日本)『DCP FC001-047』0.47μF 248円
SCR(フランス)『SOLEN 630VDC』0.47μF 439円
mundorf(ドイツ)『M-CAP/630V』0.47μF 617円
●Jantzen Audio『Z-Standard Cap』1.5μF(1.3kHz)
デンマーク、イャンツェン社のフィルムコンデンサー。ハイコスパでワイドレンジ。音色は明るめで、高域がややクッキリした。音像定位はシャープでフルレンジとの干渉は感じられない。もっと高価なグレードもあるので、この音色が気に入ったらアップグレードもできそうだ。
●PARC Audio『DCP FC001-150』1.5μF(1.3kHz)
日本代表のPARC Audioはウッドコーンのスピーカーユニットで有名なメーカー。スピーカーキットから完成品まで手掛けている。コンデンサーはもちろんネットワーク用に作られた製品。スピーカーの解像度が上がり、透明感が増した。迷ったらこれを選べば間違いない。
●PARC Audio『DCP FC001-047』0.47μF(4.2kHz)
同じメーカーのコンデンサーの容量違い。クロスオーバー周波数4.2kHzはメーカーも良く採用するらしい。ここまで高域再生に絞ってもツイーターの効果はハッキリと感じられる。小音量でも音像定位がシャープで、さらにクセがなく自然な音になった。
●SCR『SOLEN 630VDC』0.47μF(4.2kHz)
今度はB&Wにも使われていたというフランスのソーレンに交換。日本のPARCと音色の違いはあまり感じられない。音色はややクールで、おとなしく自然な感じだ。これより高価なグレードもある。
●mundorf『M-CAP/630V』0.47μF(4.2kHz)
ムンドルフはB&Wや国内外のスピーカーメーカーがこぞって使っているというドイツの名門。これは最も安価なグレードで、この上だと1個数千円になってしまう。S/N感がよく、情報量も増える。女性ボーカルを聴くならこのコンデンサーがベストバイ。音色は明るめだ。
写真・文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!
※記事内のデータ等については取材時のものです。