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もし上司に「会社を辞めろ」と言われたらどうする?

2017.12.14

■辞める必要はないが、自問自答はするべき

 それでもなおも、課長、部長、本部長、執行役員が「辞めろ!」と言ってくる場合は、相手にしないことだ。話し合いを求められたら、そこには行ったほうがいい。行かないと業務命令違反と言われ、違反文書を通知されることがある。

 これでは課長、部長、本部長、執行役員の思うツボだ。

 話し合いの場には出て、言い分を冷静に聞くことだ。言い争うのは、タブーだ。これも、相手の思うツボだ。話し合いの内容はICレコーダーやスマホなどで録音するべきだ。背広のポケットに入れておけばいい。念には念をという意味で、2~3台入れておくとよい。

 冷静に聞いておくと、それを仮に労政事務所のような公的な機関、労働組合、弁護士などに聞かせる場合、好印象を与えることができる。興奮し、過激であるのが課長、部長、本部長、執行役員で、冷静であるのは本人という構図をつくるべきだ。後々、有利になる。

「辞めろ!」と言われら、「私は辞めません」と答えるだけでいい。そもそも、課長、部長、本部長、執行役員には部下を辞めさせるだけの権限がない。権限があるならば、わざわざ話し合うことはしない。さっさと解雇通知を渡しているはずだ。そのような権限は、社長や役員にしかない。正社員を解雇にすることは、実に難しいことなのだ。

 しつこく「辞めろ!」と迫られるならば、「解雇通知をください。社印と解雇事由、解雇の種類ときちんと書いたものです。できれば、役員からいただきたいのですが…」と言い返そう。あくまで冷静に対処し、敬語を使い、丁重に応対するのだ。相手を怒らせ、自分は冷静にいる。これが、基本だ。おそらく、中堅・大企業ならば、解雇にしてくる可能性は低いだろう。仮にしてきたら、そのときに考えればいい。公的な機関、労働組合、弁護士などがそろっている。うろたえる必要は一切ない。

 ただし、考えるべきことはある。勤務態度、仕事への姿勢、実績、評価、さらに上司や周囲、取引先との人間関係などを事実にもとづき、振り返ることである。本当に落ち度がないならば、会社と争ってもいいのかもしれない。私がこの20数年取材をしてきた範囲で言えば、解雇になる社員には何らかの問題は間違いなくある。特に上司などとの人間関係が相当に悪い。残念なことに、取材の場ではそのことを話さず、隠してしまう人もいる。ただし、関係が悪くとも、課長、部長、本部長、執行役員が「辞めろ!」と口にすることは好ましくない。

 あなたは、上司から「辞めろ!」と言われたらどうするか?

文/吉田典史

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。

■連載/あるあるビジネス処方箋

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